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- ID:
- 31609
- 年度:
- 2014
- 月日:
- 1022
- 見出し:
- 姿変え生き続ける 新温泉の大ケヤキ、堺のだんじりに
- 新聞名:
- 日本海新聞
- 元URL:
- http://www.nnn.co.jp/news/141022/20141022004.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 大阪南部の秋祭りを彩る「だんじり」が縁で、兵庫県新温泉町宮脇と大阪府堺市中区八田北町の住民が交流を深めている。だんじりの材料となった巨木が宮脇の須賀神社から切り出した物だと分かり、八田北町の住民が訪れたのが始まり。ことしは宮脇の住民が初めて同市を訪問。形を変えて生き続け
る巨木の雄姿を目に焼き付けた。
だんじりの前で記念写真に収まる宮脇と八田北町の住民ら=5日、堺市中区
同神社にあったケヤキは樹齢700~千年とされる。地区公民館の建設費用捻出のため、1998年に約800万円で売却された。
一方、他地域から譲り受けただんじりを改修して使っていた八田北町の住民にとって、新調は悲願だった。新しいだんじりは5代目で2005年に完成。幅2・5メートル、奥行き4・3メートル、高さ3・9メートルで同市内最大級。建築費用は住民らの積み立てと寄付で賄った。
ケヤキは、だんじりの”顔”である彫り物などに使用。最高の木彫技術を持つといわれる職人らが、豊臣秀吉の生涯などを彫り込んだ。1本の木から造られたため、各面とも風合いがそろい、こだわりが詰まった仕上がりになった。
99年に地区にケヤキを運び入れて原木祭を開いたころから、祭りを取り仕切る集団「若頭」の中から「巨木がどこから来たか知りたい」という声が挙がり、情報をたどって数人が宮脇を訪れていた。昨年11月には110人の若頭のうち約40人が訪れ、宮脇の住民と交流を深めた。旅の世話役を務めた御子
川内悟さん(52)は「切り株を見て大きさを実感した。ありがたい思いが湧いてきた」と振り返る。
ことしは宮脇の田畑修区長(59)らが同市で「八田荘だんじり祭」を見物。地域住民の誇りとして愛され、勇ましく町を駆け巡るだんじりを眺めた田畑区長は「見ることができてよかった。(旧村名の)『八田』という地名でつながっているのも不思議」と感慨もひとしお。本年度の若頭の責任者、泉谷明次さん(51)
も「世代が変わっても長くお付き合いしていきたい」と話している。
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