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木造建築のネツト記事
ID :  4289
公開日 :  2007年  7月18日
タイトル
[10年間一貫して成長し続けているツーバイフォー工法
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新聞名
データ・マックス
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元URL.
http://www.data-max.co.jp/2007/07/5_3_1.html
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元urltop:
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写真:
 
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10年間で345千戸縮小したマーケット。しかし、縮み続ける住宅産業界で10年間一貫して成長し続けている分野がある  それがマンション業界と戸建て分野でのツーバイフォー工法(枠組み壁工法)住宅だ  マンション(鉄筋コンクリート造)分野は平成8年度の381千戸から(平成9より10年度は落込むがその後一貫して増加し続け)平成18年度には467千戸超まで成長し続けている。しかも昨年秋頃からは、翌19年の地価上 昇を見込み首都圏を中心とした三大都市圏の新築マンション物件をディベロッパーが売り惜しみしたにもかかわらずである  その間新規の分譲用宅地の購入に走ったためさらに適地の地価上昇を招き、地場の中小分譲業者は締め出しを食っている  さらに彼等(住友不動産、三井不動産、三菱地所、野村不動産、東急不動産等の大手)は開発中の不動産である「仕掛不動産」を増やし続けており、平成19年3月末の5社合計で1年前に比べて9,981億円と55%増やして いる  この内の大半はマンションの仕掛在庫であり先述の売り惜しみの根拠ともなっている  それでも尚、こうした大手ディベロッパーの平成19年3月期の決算は空前絶後の利益を計上しており、来年3月末決算もさらに利益を上積みさせることは確実だ  また大京、藤和不動産、長谷工等のマンション販売専業16社の仕掛不動産合計も1兆円に達する とのことである  こうして大手、中堅の開発業者が軒並み空前絶後の好決算を計上しているのも都心部の地価下落 の幅が大きかったことと、容積率等の規制緩和によるタワー(超高層化)が可能になったことが大きい。都内でも3千万円台からの購入も可能な物件が多数売り出され、30台前半の一次取得者が気安く購入できるようにな ったのである  しかし一方でこれら超高層のタワーマンションの耐震・免震等の建築技術(ノウハウ)は鹿島、清水、竹中、大成、大林等スーパーゼネコンでしか持ちえていないのであるが、何故か美味い汁(利益)は先述のディベロッ パーにさらわれ、大した収益を挙げていないのも不思議である  一方、低層戸建て住宅分野ではプレハブ住宅が平成8年度の247千戸から平成18年度の159千戸ま で毎年着工戸数を減少させ続けているにもかかわらず、一人ツーバイフォー工法だけが毎年成長し続けている  ツーバイフォー工法住宅は平成8年度の92.5千戸から平成18年度には105.8千戸まで毎年成長を続けている。中でも貸家分野では同21.6千戸が51.0千戸に、分譲住宅分野では同19.8千戸が22.7千戸 へと成長し続けている  ちなみに、これまで日本の住宅産業界をリードしてきたプレハブ住宅業界は平成8年度の247.3千戸から平成18年度の159.5千戸まで着工戸数を減少させ続けている  つまりツーバイフォー工法住宅はプレハブ時委託業界に比べてその短い歴史の中でプレハブ住宅 メーカーの背中が見えてきたのである  優れた耐震性能に加えて、外部(他人)からの被災対策のみを考えた外装部分のみの防火構造を追及してきた他の工法に比べて、自分の家からの出火はその室内だけで鎮火させる構造等を追及したことも評価されて いるのであろう  すでに西鉄グループの戸建て住宅は全てツーバイフォー工法に切り替えているし、北九州市の辰巳グループもツーバイフォーの比重を上げてきている  さらに大手プレハブ住宅メーカーの商品に比べてコストパフォーマンスに優れていることも特筆される  諸資材が高騰する中で数日前に大分県のプレカット工場を訪問してみて驚いた。加工中の部材を含めて殆どの製品が杉材等の内地材に変わっていたことである  これも米材、北欧材、北洋材等の輸入木材の高騰に加え為替相場での円の値下がり等の影響によ るとのことであった  さらに同社は中国・山東省煙台市へ杉材の輸出も開始したとのことである  こうして内地材までが完全に国際市場価格に吸引されていく中で今後国内市場が如何にして住宅のコストを引き下げ、品質を維持していくかが縮みつつある住宅市場の活性化につなげていけるであろう。