ID :
4280
公開日 :
2007年
7月17日
タイトル
[合板価格、異例の「国産優位」
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新聞名
日本経済新聞
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元URL.
http://www.nikkei.co.jp/news/kakaku/column/20070717e1j1200812.html
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元urltop:
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写真:
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木造住宅などに使う合板で、輸入品と国産品の価格が逆転した。輸入品の指標となるコンクリート型枠用(21ミリ厚)の東京地区卸値は現在、1枚1150円程度。一方で、国産品の代表品種である針葉樹構造用
合板は1240円前後だ。
これまでは輸入品が国産品よりおおむね100円以上高く売られるのが通例だった。一時的に国産品と輸入品の価格が同程度になったことはあったが、逆転して90円もの差が付くことは過去になかったという。
輸入品はインドネシアやマレーシア産のラワン材を使っており、原料コストが国産品の主原料であるロシア産丸太より高い。さらに、ラワン合板は節が少なく、表面が平滑で施工しやすいことから、100円以上高くても輸
入合板を選ぶ建築業者が多かった。
価格逆転の背景にあるのは輸入品の需給関係の緩みだ。昨春から丸太高をきっかけにした合板価格の高騰で、日本向けの輸出意欲が高まった。「港頭在庫が積み上がり、処分売りが先行する展開が続いている」(建材
商社)。一方で国産合板は、国内メーカーが価格維持のために、7月から減産に踏み切るなど需給引き締めを図っている。
需要構造の変化もある。かつては輸入合板が値下がりし、国産合板との価格差が縮まれば、需要家が積極的に輸入合板に切り替えた。しかし、最近では需要の切り替えが少なくなった。輸入合板の代表であるコンクリー
ト型枠用は、本来建築の基礎工事などに使う商品だが、かつては住宅用にも多用されてきた。しかし2003年7月の建築基準法改正でハウスシック症候群の原因とされるホルムアルデヒドの住宅内の発生量が規制された
結果、一般のコンクリート型枠が住宅用に使用しにくくなった。
「住宅用の利用が減り、コンクリート型枠用の需要自体が少なくなった。これまでと同じ量の輸入が続けば、需給緩和が解消されず、相場も反転しにくい」(問屋)との声も出ている。