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ID :  3993
公開日 :  2007年  6月 4日
タイトル
[滋賀県教委が有形文化財8件を指定
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新聞名
京都新聞
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元URL.
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007060400023&genre=M2&area=S00
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元urltop:
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写真:
 
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滋賀県教委はこのほど、県文化財保護審議会(吉見靜子会長)の答申を受けて新たに、南北朝時代の仏教彫刻として水準の高い米原市の青岸寺の木造聖観音坐像など、有形文化財8件を指定し、記録保存す る無形民俗文化財2件を選択した。県指定文化財は計448件になった。(立川真悟)  指定された文化財は次の通り(カッコ内は所在地、所有者)。  【建築物】  石山寺蓮如堂(大津市石山寺1丁目、石山寺)  1602年、淀君の寄進による伽藍(がらん)復興の際に建立。懸造(かけづくり)の拝殿。一般的な様式と違い、吹き抜けではなく室のある構造を持ち、神事および仏事に使われた。全国的にも珍しい。  石山寺経蔵(同)  全国的にも数少ない切妻造の校倉(あぜくら)で、建築様式から16世紀後期ごろの建立とみられる。かつて国宝の淳祐内供筆聖教など重要な経典を良好な状態で収納していた建築として価値が高い。  石山寺毘沙門堂(同)  1773年建立。間口三間奥行き二間ながら正方形に立つという特色を持つ。近世後期らしい大振りな絵や木鼻の意匠を持ち、大阪で加工し、現地で組み立てた造営方式が判明している。  【美術工芸品】  木造聖観音坐像(米原市米原、青岸寺)  1376年造立、ヒノキの寄木造り。鋭い彫り口やバランスの取れた体の表現など南北朝時代の仏教彫刻としては高い水準を示す。  鰐口(わにぐち)(日野町安部居、安部居区)  円盤状の梵(ぼん)音具で、銅の鋳造製。県内に伝来の鰐口では比較的古く、年記を伴う作として貴重。中央の撞座(つきざ)にある五弁の蓮華文など秀でた作品。  教行信証(草津市上寺町、西蓮寺)  本願寺の定本や親鸞直筆の板東本とも異なる記述が見られる。親鸞が板東本を整備する途中の内容が流出した写しと推測され、親鸞の思想形成過程が分かる善本。  東寺文書(琵琶湖博物館、県)  野洲市・御上神社の社家に伝わり、近年県の所蔵となった。平安期から江戸期までの東寺領の支配に関する内容などが書かれる。特に近江にかかわる文書は地域史解明の上でも貴重といえる。  鍛冶屋敷遺跡出土遺物(安土町下豊浦、県)  聖武天皇の甲賀寺造営にかかわる官営工房の遺跡。炉壁、銅塊などは大規模な銅の精錬工場があったことをうかがわせ、同寺造営が国の総力を挙げた事業であることを証明する。  【無形民俗文化財】  近江の山の神行事(県内各地)  豊作祈願のための神行事は、正月から2月、種々の神饌(しんせん)を供える。狩猟者や林業者らの山の民行事は11月ごろ、当番の家で祭りをした後直会をする。生活様式の変化から衰微しつつある。  湖東・湖北地域の野神行事(湖東、湖北地域)  収穫祭で、夏から秋にかけ、野菜や魚などを供えて祭る。湖東では子供相撲を催し、湖北では太鼓踊りなどをする。素朴な自然神信仰に基づいている。