ID :
3903
公開日 :
2007年
5月26日
タイトル
[波佐見町が解体計画の木造洋館「公会堂」 「価値高く保存を」
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新聞名
西日本新聞
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元URL.
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/nagasaki/20070526/20070526_004.shtml
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元urltop:
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写真:
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波佐見町が解体を計画している築70年の木造洋館、町公会堂を24日、ハウステンボスの設計で知られる建築家池田武邦さん(83)=西海市在住=が視察した。池田さんは公会堂について「極めて価値が
高く、絶対に保存すべきだ」と評価する一方、老朽化が進んでいるため「早急に応急措置を講じなければ改修が困難になる」と指摘した
■建築家の池田さんが視察 早急な改修求める
町公会堂は1937年、同町井石郷に完成。木造2階建てで、1920‐30年代にヨーロッパで流行した美術様式「アール・デコ」調の建築様式を取り入れた洋館。隣接する中央小学校の体育館としても使用され、コンサート
会場になるなど95年に同小が移転するまで多くの町民に親しまれてきた
その後、町文化会館が新築され、公会堂が老朽化したことから町は解体を計画。解体費を予算計上したが、文化遺産として保存、活用を求める住民運動が広がったため解体実施を見送っている
池田さんの視察は保存運動に取り組む地元住民団体「波佐見講堂ファンクラブ」(立石聰代表、約20人)が要請した
池田さんは公会堂に入り、内部構造や室内装飾などを確認し、「昭和初期の地方の町に、これほど優れた技術を駆使した洋館が建てられていたとは」などと驚いていた
だが、公会堂は12年間もほとんど使用されず、手付かずだったため老朽化が進行。池田さんは「このまま放置すると、改修不可能になる。いますぐにでも防水など応急措置が必要」と語った
また、クラブの活動については「漠然と保存を求めるのでなく、町に対して公会堂の安全点検など具体的な要請をすべきだ」などとアドバイスした。立石さんは「建築界の権威に評価されたことで自信が深まり、守らな
ければという気持ちが強くなった」と話した
これに対し、町は公会堂の修復工事に約1億円が必要なことや、具体的な活用策を見いだせないことから解体の基本方針を崩していない。