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ID :  3744
公開日 :  2007年  5月 9日
タイトル
[古材 漆塗りで再生 いすや机、飾り台など50点 江差塗工房
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新聞名
北海道新聞
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元URL.
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki/24896.html
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写真:
 
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江差町内の塗装職人でつくるグループ「江差塗工房」(辻希良代表、七人)が古材に漆塗りを施して仕上げた家具などを今年も製作した。活動七年目を迎え、塗りの技術にも磨きがかかり、出来は上々。表面の 模様など古材の個性豊かな「表情」を漆が際立たせている。  塗工房は、現場での塗装の仕事が減る冬期間を中心に二○○○年から、いにしえ街道沿いの土蔵を拠点にして活動している。  今年も四月下旬までに、いすや机、飾り台などの家具と、皿やコップなど約五十点を作った。いずれも漆を塗ってはふく作業を五-八回、繰り返す「ふきうるし」という技法を丁寧に施した。  辻代表は「漆は樹種によって吸い込む量などが異なり、ペンキなどの化学塗料より扱いが難しいが毎年、仕上がり感が良くなってきた」。漆塗りの本場の石川県・輪島市を訪ねるなどして研究を重ねた成果だ。  作品づくりのテーマは「再生」。漆の木から採った樹液が別の木に溶け込むのと、古材に再び命を吹き込むところに共通点がある。古材はヒバやセンノキなどで、いにしえ街道の整備で取り壊された民家のものも少なくな い。柱や梁(はり)を組み合わせるための凹凸など、古材の個性をそのまま生かし、家具に仕立てる。  かんなの代わりに手斧(ちょうな)で木の表面を平らにした鱗(うろこ)模様の古材も多く、漆を塗ることでさらに模様が際立ち、デザインとしてよみがえっている。  メンバーは二年前から漆の植樹にも取り組み、今年も四月下旬、厚沢部町内の山林に百本の苗木を植えた。漆は成長が早く、十五年後には漆の樹液が取れる見込み。メンバーは「いずれは地元産の漆で作品を作りたい 」と意気込む。  作品は五月末まで函館市元町のギャラリー村岡で展示、販売している。問い合わせはギャラリー村岡(電)0138・27・2961へ。