ID :
3605
公開日 :
2007年
4月23日
タイトル
[組合長不在、3理事辞職 宮城・七ヶ宿森林組合機能不全
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新聞名
河北新報
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元URL.
http://jyoho.kahoku.co.jp/member/news/2007/04/20070420t13043.htm
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写真:
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債務超過からの再建を目指す宮城県七ケ宿町森林組合が、組織として機能不全に陥っていることが19日までに分かった。町議でもある吉田明組合長は行方不明で解任され、理事3人も辞職。理事7人のうち
過半数の4人が不在となり、意思決定機関である理事会が成立しない状態だ。辞職した理事の1人は、新組合長を選出した理事会議事録への署名を拒んだため代表者の登記もできず、正式な組合長が不在の異常事態が
続いている
七ケ宿町森林組合は昨年10月、県の検査で粉飾決算が発覚し、6800万円の債務超過が明るみに出た。再建計画を立てるなど対応に当たってきた吉田組合長は心労で今年3月に入院、3月定例議会も欠席した。3月
27日に現場復帰したが、翌日から所在不明となり、家族から白石署に捜索願が出されている
組合は30日に理事会を開き、組合長を解任して高橋良吉筆頭理事を新組合長に選出した。しかし、理事の1人が議事録への署名押印を拒んだ。この理事は4月上旬に辞職した
理事辞職者は計3人となり、理事7人のうち4人が不在。過半数の出席が必要な理事会が開催不能となっている。監事も3人中2人が辞職している。組合長に選出された高橋氏は「正式な組合長でない以上、詳しいコメ
ントは控えざるをえない」と話す
背景には(1)3月定例議会で町から森林組合への補助220万円が認められず、再建計画への不安が広がった(2)金融機関から、理事の住宅や土地を担保とすることが、借り換えや新融資の条件となっている―の2点
があるとみられる
町は20日、県と善後策を協議する。面積の92%が森林であり、県内17市町の水がめである七ケ宿ダムを抱える水源の町として、森林整備の要となる組合の再建を図る方針に変わりはないという
ただ、議会で組合関係予算が減額されたため、表立った動きはしにくいのが実情。梅津輝雄町長は「町民から、森林組合を救済しないと町がだめになる、との声が盛り上がってくるのを待ちたい」と話す。町内からは予
算の減額をした町議会の責任を問う声も出ている
一方、議会側も対応に苦慮している。山村文吾議長は「吉田町議からの連絡を待つしかない」と話している。