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木造建築のネツト記事
ID :  2885
公開日 :  2007年  2月26日
タイトル
[「木は気心知れた友達」 米原の闘病男性、木工品作りに熱
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新聞名
中日新聞
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元URL.
http://www.chunichi.co.jp/00/sga/20070227/lcl_____sga_____000.shtml
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元urltop:
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写真:
 
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心臓病を抱え、大腸がんと闘いながら米原市顔戸の小林勝美さん(57)は木工品を作り続けている。「木は気心の知れた友達」と柔和な表情で話し、心臓病を抑える薬「ニトロ」の入った小瓶を首から下げな がら、きょうも役目を終えた水車を花器に変え、裏山の木でベンチを作る  小林さんは二十歳のころから約二十年間、神戸市東灘区に住み、家具を作ったり販売する兄の会社を手伝っていた。十二年前の阪神・淡路大震災後、被災住宅の片づけをしていた最中に柱が直撃。首の骨がずれて右 手が動かなくなり、故郷の米原に戻った  手術後のリハビリを経て、木工品を作るように。約六年前から、米原市宇賀野の道の駅「近江母の郷」でベンチや机を販売し始めた。葉っぱの形のテーブル、木のロボット、ネコ形のイスなど、ほのぼのとした作品が人 気を集め、全国から注文が入った  もともと心臓の持病があり、二十回以上入院していた。二〇〇五年三月に心筋こうそくで倒れ、救急車で運ばれた。血液検査で大腸がんが発覚。心臓手術から一カ月後に大腸がんの手術を受け、約七カ月入院した  「入院していると聞きました。大丈夫ですか」「元気になったら、また作ってください」。病床に、お客さんから手紙が届いた。「気が弱くなってたから、涙が出た。またがんばろうと思った」。自分が作ったベンチに座る赤ち ゃんの写真を送ってくれた人もいた  手術後もがんの一部が体の中に残っていて、「何が起きてもおかしくない状態」という。朝は五種類、夕方は七種類の薬を飲んでいる。一人暮らしで、いつ入院してもいいようにと、ボストンバッグに洗面器やタオルなど をまとめている  現在、壊れた水車の一部を使って、花器を作っている。約九十年間、そば粉をひいていた水車で、捨てられる寸前だった。木をつぎ足し、ニスを幾重にも塗って、花を生ける道具に変えた。「病気は、どないもならん でも、もう少し生きたい」