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ID :  1574
公開日 :  2006年 9月 1日
タイトル
[県、公社など4法人の債務保証400億円に
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新聞名
陸奥新報
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元URL.
http://www.mutusinpou.co.jp/news/06090102.html
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元urltop:
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写真:
 
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県が25%以上を出資する公社などの金融機関借入金について、県が債務保証・損失補償した総額は今年3月末現在で四法人に対し400億3100万円と、前年同期に比べ約50億円減少したことが31日、分 かった。四法人が経営破綻(たん)した場合、県が肩代わり返済しなければならないが、第三者機関の提言を受けた公社改革が一定の成果を見せた形だ。ただ分収造林、有料道路、工業団地を扱う公社をめぐっては制度 上の問題から大幅な債務解消が難しく、将来的に財政リスクが顕在化する可能性をはらんでいる。
 県は現在、県道路公社、青い森農林振興公社、21あおもり産業支援センター、県土地開発公社の四法人の借り入れについて債務保証・損失補償を行っている。県住宅供給公社は2002年度、県フェリー埠(ふ)頭公社 は03年度に県の損失補償全額を解消した。
 最高額の県道路公社は、みちのく有料道など3有料道路の建設にかかわる債務返済が課題。10期連続黒字で「返済に回せる余裕がある」(同公社)ものの、各有料道の料金収入は当初計画の4―8割に過ぎない。試算 では各30年間の料金徴収期間終了時に計117億円もの債務が残る。
 同公社は昨年、中期経営プランを策定。09年度までに約54億円の債務圧縮を図る方針で、発注方法の見直しや人件費削減など改革に取り組むが、完済まで届かない。
 青い森農林振興公社は民有林に同公社が樹木を植え、木材売却で収益を得る「分収造林」関連が損失補償の約8割(136億7700万円余)。
 外材の輸入拡大などで収益確保が難しいため、県公社等点検評価委員会(委員長・末永洋一青森大総合研究所長)は昨年、公社に代わり県が造林する「県行造林」への早期移行を提言した。有識者らが今後の在り方を 検討中で、年度内にまとまる最終報告はほぼ提言に沿う見通しだ。
 森林の環境保全機能という公益性を背景に県が移行に踏み切れば、農林漁業金融公庫への債務も移り、財政リスクが現実に。「県産木材の需要、価格など移行時期の見極めが重要」(関係者)という。
 県土地開発公社は、青森中核工業団地(青森市)の造成経費が全額県の債務保証で、13年度末が返済期限だ。現在の分譲割合はリースを含め23・3%(31日現在)と振るわないため、企業誘致を担う県はてこ入れを 図り今年3月、分譲価格を約25・5%引き下げた。
 21あおもり産業支援センターは、県が実質的に工場・設備を用意するオーダーメード型貸工場をめぐり、立地第1号の電気機械製造業(六ケ所村)が業績好調で機械設備を繰り上げ償還したため、県の債務保証額がほ ぼ半減した。
 末永委員長は「改革の進み具合に一定の評価はできる。しかし情勢はかなり厳しく、限界もある。それぞれ債務圧縮に向けた一層の努力が必要」と指摘している。