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木造建築のネツト記事
ID :  401
公開日 :  2006年 2月27日
タイトル
[「土佐桜」命拾い 旧高知西武ビルに使用の大理石
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新聞名
高知新聞
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元URL.
http://www.kochinews.co.jp/0602/060227evening01.htm
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元urltop:
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写真:
 
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解体が進む旧高知西武百貨店ビルの内壁の一部に、「土佐桜」と呼ばれる4億2300万年前(古生代シルル紀)のサンゴ化石を含んだ貴重な大理石が大量に使われていることが分かり、開発業者のオーナー ズ・ブレーン(大阪市)は26日までに慎重にはがした。一部を原産地である高岡郡越知町の「横倉山自然の森博物館」に寄贈するとともに、今後、現在地に建設する商業ビルの内壁などに活用。「太古のロマン」を後世 に伝える。
 土佐桜は横倉山山頂付近から切り出された石灰岩の愛称。この付近はかつて赤道付近に位置し、プレート移動で北上。海中にあったことから、ハチノスサンゴやクサリサンゴ、ウミユリの化石を含んでいる。石肌が淡い ピンク色をしており、その名が付いた。
 硬さも十分で高品質。ビルの内壁や高級住宅の門柱、マントルピース、灰皿、テーブル材などとして全国から引っ張りだこ。昭和30、40年代には盛んに切り出された。
 しかし、安価な外国産大理石の輸入が増えるとともに、需要は急落。50年代に入ると採掘はストップ。石材業者の手元にも、補修用として残っているぐらいだという。
 こうした事態をかねがね憂慮していたのは横倉山博物館。建築材として一世を風靡(ふうび)した石の原産地にもかかわらず、その石を使った建造物が町内に無いという。今回、ビルの解体を知るや「壊すなら分けてほ しい」と申し入れたところ、オーナーズ社も快諾。100万円ほどの余分な出費となったが、専門の業者を雇って約70平方メートル分すべてを取り外した。
 厚さ2センチの化粧板は大小約200枚。最大は幅約1メートル、高さ約60センチで、重さは40キロにもなる。
 寄贈を受ける博物館の安井敏夫副館長は「黙っていたら、ごみになるだけ。できるものなら、生きた教材として命を吹き込んでやりたかった。希望をかなえていただき、ありがたい。使い道はまだ未定だが、将来的には 町内の公共建造物などで活用できれば」。
 一方、オーナーズ社も「早く知らせてもらえて良かった。こちらこそ感謝しています」と話す。
 土佐桜は、県内では高知市民図書館の玄関壁、四国森林管理局(旧高知営林局)の玄関の柱、片桐書店外壁(高知市はりまや町1丁目)、安芸郡北川村役場の受付カウンターなどに現存している。
 【写真説明】横倉山自然の森博物館・安井副館長=右=の要請で“延命”が決まった旧高知西武百貨店ビル内壁の大理石「土佐桜」(高知市南はりまや町1丁目)