ID : 15754
公開日 : 2010年 4月15日
タイトル
CO2吸収量を企業に売却 森づくりへ制度導入2010年04月15日
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新聞名
熊本日日新聞
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元URL.
http://kumanichi.com/news/local/main/20100415002.shtml
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元urltop:
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写真:
イラストが説明として掲載されていました
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小国町と宮崎県諸塚村が、森林の二酸化炭素(CO2)吸収量を企業に売却する「カーボンオフセット」制度を週明けにスタートさせることが14日分かった。企業への売却を仲介する社団法人との基本協定を20日、福岡市で締結する。自治体の同制度参入は九州では初めて。CO2吸収量の取引が身近な森でも実働段階に入ったことを示している。
カーボンオフセットは、企業が排出するCO2のうち独自努力で削減できない分を、森林管理への支援で相殺(オフセット)する仕組み。京都議定書の目標達成を目指す環境省が2008年11月に制度化した。山村がCO2吸収量をクレジット(証書)にし企業に売却、その資金を森づくりに充てる。企業は社会貢献をアピールできる。
小国町が対象とするのは、京都議定書最終年の12年までに間伐を予定している町有林80ヘクタール。同議定書と国の基準で計算した結果、吸収されるCO2量は2500~3000トンと見込む。同様に諸塚村は村有林118ヘクタール、吸収量3000トン。
基本協定の相手方は、東京の一般社団法人「モア・トゥリーズ」。代表は音楽家で森林保全活動に取り組む坂本龍一氏。両町村から買った証書を環境保護に力を入れる企業に紹介、転売する。両町村が売却する単価は今後詰めるが、他県のケースでは1トン数千円から数万円まで開きがある。
小国町、諸塚村とも「地元に入った資金は、後継者育成を含む林業振興と森林管理全般に有効活用する。金銭取引だけでなく都市と農村の関係が深まり、多くの企業や市民が森を見に来てくれれば」と期待している。
環境省地球温暖化対策課によると、同省のカーボンオフセット制度の認証を受けているのは全国14の企業や自治体。九州では昨年、住友林業所有の民有林が認証された。
これとは別に熊本県が独自のCO2吸収量認証制度を4月に導入したが、この制度は金銭を介さず企業が直接、森林所有者らと協定を結んで実施する森林保全活動を吸収量として認める。