ID : 15735
公開日 : 2010年 4月13日
タイトル
「山林を守る」間伐材原料に 木炭
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新聞名
十勝毎日新聞
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元URL.
http://www.tokachi.co.jp/feature/201004/20100412-0005026.php
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元urltop:
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写真:
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山林を守る」間伐材原料に 「炭は生き物。1つとして同じ物はない」。ふさがれた炊き口をじっと見ながら、川端陽一さん(39)が言う。火入れから10日がすぎ、冷却期間に入った炭窯の表面に両手で触れると、じんわりとぬくもりが伝わってきた。炭焼きは「木との対話」という。
川端ノーリンの炭焼きは、川端さんの父の章さん(61)が2002年、代々引き継いできた所有の山林(約260ヘクタール)を守り、木の付加価値を高めようと始めた。それまで町内の建設会社に勤務していた章さんのチャレンジを、妻のサチ子さん(63)ら家族も応援した。
炭焼きは思った以上に大変な作業だ。山林での間伐と植林作業が真冬を除いてあり、3?4日は火の番をし、気象条件に応じて微調整する。10日かけてじっくりと冷まし、炭出しは暑さとの闘い。微粉炭にまみれ、鼻の穴の中まで真っ黒になる。微粉炭、木酢液など窯から出たものは100%有効活用できる。
焼き肉用の炭や飾り炭。絵を描いた炭もインテリア用として販売する予定だ 炭の原料は主に断面が美しいナラ材。最近は評判を聞き付け、管内の料理店や本州の業者からも指名がある。化学物質の分解、消臭用として住宅造りにも使われる。サチ子さんがアレンジした飾り炭も人気。微粉炭を土壌改良材、木酢液を農薬代わりにそれぞれ活用する農家もある。
章さんは「自然の原木で安全安心。間伐材を使うことで、山林の育成にもつながっている」と力を込める。(酒井花)
<メモ>音更町東和8。電話0155?42?4811。木炭はハピオ木野、Aコープ道東おとふけ店などで販売。飾り炭、微粉炭、木酢液は直接、注文に応じる。