ID : 15673
公開日 : 2010年 4月 8日
タイトル
松くい虫に強いアカマツの苗植樹 奥州の森林組合
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新聞名
岩手日報
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元URL.
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100407_4
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元urltop:
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写真:
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奥州市前沢区の生母(せいぼ)生産森林組合(大石喜清組合長、組合員551人)は6日、同区生母の山林に松くい虫に抵抗力を持つアカマツの苗600本を植えた。近くには「月山(がっさん)松」と呼ばれる古木群があり、松くい虫被害に遭っている。組合員らは美林を守るだけでなく新たに育て、林業家の意欲も高めようと苗木に願いを込めた。
同組合のほか、水沢地方森林組合、県南広域振興局から合わせて16人が参加した。朝から約4時間かけて、生母生産森林組合の所有地約30アールに高さ30センチほどの苗を植えた。
苗は県林業技術センターが2004年度に開発した松くい虫に強い品種で、被害に対する生存率は県産アカマツの平均31%に比べ54%と高い。植栽した松林は、生母生産森林組合が中心になり除間伐などを行う計画だ。
植栽地のそばには推定樹齢300~400年の自生林「月山松」が広がる。5ヘクタールに73本が育ち、大きなものは幹の直径が1メートルを超え、高さ30メートルに及ぶ。1980年代には約150本あったが、松くい虫被害などで激減。幹に薬剤を注入する処置などが取られているが抜本的保護策はない。
抵抗性アカマツの植栽は美林を守るだけでなく、新たにつくって次代に託そうと企画した。木材価格が低迷する中でも、前向きな試みで林業を元気づけたいとの願いもある。
抵抗性品種の植栽は今後も継続的に行う予定だ。
大石組合長(70)は「アカマツは日本人の文化や心に根差した木だと思う。林業家を励まし、次代に元気な山林を残すため努力したい」と力を込める。