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ID : 15672
公開日 : 2010年 4月 8日
タイトル
この人に聞く:建築家・田原賢さん /兵庫
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20100407ddlk28020421000c.html
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元urltop:
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写真:
 
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熟練技術で林業再生 山の斜面で育ったり、雪の重さで曲がった“くせのある木”を取り入れた建物を設計する建築家、田原賢さん(51)=奈良県御所市。兵庫県が県産材活用を目指して進める「木の香るまちづくり事業」にもかかわり、3月には「根曲がり材」の梁(はり)をむき出しにした資母地区交流センター(豊岡市但東町中山)を完成させた。木造建築の復権にかける思いを聞いた。【聞き手・皆木成実】
 ◇交流センターの天井の木組みは、古民家のような力強さと洗練された美しさを同時に感じます。 ◆昔の建築は、木の個性を見極め、大工が腕をふるいました。現在の木造建築の多くは、工場であらかじめ材木を加工し、現場では組み上げるだけのプレカット工法で建てられます。安くて加工しやすい外国産材ばかり使い、熟練技術はあまり必要とされません。交流センターは、地元産の曲がったヒノキを大工がうまく生かしてくれました。
 ◇山にはたくさん木が生えているのに、あまり活用されていませんね。 ◆戦後植林された杉は伐採期を迎えているにもかかわらず、コストが合わないため放置され、「山のお荷物」になっています。間伐もされず、山が荒れると水害のもとにもなります。林業の再生は、国産木材を活用できる熟練技術があることが前提です。根曲がり材を使った建物は、日本の山に今ある木を使って、魅力的な家屋が建てられることを知ってもらうための取り組みでもあります。
 ◇阪神大震災では、強度不足の木造住宅が数多く倒壊しました。木造の建物は安全なのですか。 ◆柱や梁だけでなく、壁や建具など建物全体で揺れを吸収する構造が木造の特徴です。しっかり建てれば優れた耐震性があります。個々の建築で私が担当しているのは構造設計です。コンクリートのビルに構造設計は不可欠ですが、木造建築の構造設計はこれまでなおざりにされてきたため、専門の設計家はほとんどいません。耐震性を考えずに、大きな窓など見た目の良さだけで設計されてきたのが今までの木造住宅です。伝統的な大工技術の継承とともに構造設計の普及が木造建築の信頼性を高め、ひいては林業の再生にもつながるものと考えています。
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 ■人物略歴
 ◇たはら・まさる 1958年岡山県生まれ。大阪工業技術専門学校卒後、設計会社勤務を経て89年独立。「木構造建築研究所・田原」主宰。00年に篠山市「丹波篠山渓谷の森公園」設計で優良木造施設推奨審査の農水大臣賞受賞。日本建築学会会員。
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