ID : 15470
公開日 : 2010年 3月25日
タイトル
マツクイムシ対策:クロマツ203号開発 4年ぶり3種目、松枯れに強い品種
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20100324ddlk07040099000c.html
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元urltop:
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写真:
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県林業研究センター(郡山市)は、松枯れに強いクロマツの新品種「福島(小高)クロマツ203号」を開発した。原因となるマツクイムシに強く、感染しても枯れにくい。マツクイムシに抵抗力がある県のクロマツ開発は4年ぶり3種目。県森林整備課は「植林などの実用化には数年かかるが、有効な手だてのない松枯れへの切り札になる」と話している。【関雄輔】
マツクイムシはマツノザイセンチュウと呼ばれる北米原産の虫が木に入り込み、樹液の通り道をふさいで松を枯らす。県内では76年に郡山市で初めて確認され、中通りと浜通りを中心に拡大。54市町村に被害が及び、08年度の被害木は4万4077立方メートルに達した。薬剤で殺虫してきたが根絶が難しく、環境への影響も懸念されてきた。
県は87年から、被害が激しい松林で生き残ったアカマツとクロマツを収集。苗木にマツクイムシを寄生させ、抵抗力の強い種類を選別してきた。これまでにアカマツでは5種開発。今回3種目となるクロマツは、02年に旧小高町(現南相馬市)で見つかり、育成したものだという。
これまでに開発した松はまだ、市場や森林組合への販売は行われていない。今後、接ぎ木でクローン苗木を育て、数年後から本格的に種の採取を開始するという。本格的な植林には複数種の松が必要なため、今後も収集と選別を続ける方針だ