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ID : 15427
公開日 : 2010年 3月20日
タイトル
森林崩壊の危機 林政、再生への転換点に
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新聞名
岐阜新聞
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元URL.
http://www.gifu-np.co.jp/tokusyu/2010/gifu_kairyu/4/gifu_kairyu4_7.shtml
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元urltop:
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写真:
  写真が掲載されていました
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林政、再生への転換点に
全国の天然林で伐採された広葉樹、針葉樹の大径木が集まる岐阜県銘木協同組合の銘木市場=岐阜市茶屋新田 岐阜市茶屋新田にある岐阜県銘木協同組合の市場には全国の天然林から切り出された大径木が集まるが、こうした光景がいつまでも続くのか不安がある。
 戦時強制伐採、戦後の拡大造林。その場しのぎの林政の結果、木材自給率は約20%。森林は荒廃が進み、水源かん養や災害防止、地球温暖化を防ぐ二酸化炭素(CO2)吸収といった公益的機能も低下する一方だ。
 「岐阜の山林は全国の縮図」として県内5流域の森に注目した日本学術振興会特別研究員の白井裕子さん。昨年出版した「森林の崩壊」(新潮新書)で旧態依然の林業、死傷事故の多発、切られない人工林の危機など深刻な実態を告発した。特に人工杉林が多い長良川流域について川上から川下まで幅広く現場で取材し、流域の「需給のミスマッチ」を鋭く指摘している。
 さらに現場無視の林政や複雑過ぎる補助金、伝統木造を締め出すような法制度など、外国とも対比して日本社会の仕組みの問題を世に問うた。
 近年また、林政の流れが変わってきた。農林水産省などが2007(平成19)年度から長伐期化、広葉樹林化に向けた美しい森林づくり推進国民運動を開始。相前後して、低コストで安定的な木材供給体制を確立して林業再生を図る新生産システム事業も、全国11のモデル地区で取り組まれている。
 このうちの一つ「岐阜広域」では、利用間伐適期の杉を主な対象に県内森林組合、素材生産業者などが県の仲立ちで原木供給能力の安定化や流通コスト削減を狙いに山から工場への直送体制を構築。高山市に新設された飛騨高山森林組合新宮工場と各務原市、関市の計3工場で年間6万4千立方メートル供給を目標とし、現在、その50%まで達成した段階。
 「材価は低迷、森林技術者は減る一方。林政転換の背景には、もう切羽詰まっているといった危機感があるのでは」
 10年前に地産地消の木造住宅部門「ひだまりほーむ」を開設し、川上から川下までの一貫経営を軌道に乗せている郡上市白鳥町大島の鷲見隆夫鷲見製材社長(59)は語る。
 「森林崩壊はもう始まっている。長良川の出水がこの5年間で2度あったが、白鳥でも岐阜市でもあっという間に増水し、昔と違ってきた。経済性だけでなく、水のことや人間や動物にとってどうなのかまで考えないと」
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