ID : 14874
公開日 : 2010年 2月 1日
タイトル
水と緑の地球環境:列島縦断、植樹の旅 70カ所に苗木380本--東京で報告会
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/select/science/news/20100202ddm012040091000c.html
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元urltop:
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写真:
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植樹をしながら、徒歩で日本列島を縦断した中渓(なかたに)宏一さん(38)が1月23日、東京・港区立エコプラザで報告会を開いた。環境保護と世界平和を願って、半年で2500キロを歩いた旅の様子をユーモアを交えて解説した。
中渓さんは大手商社を辞めた後、放浪の旅をしていた03年、英国人男性のポール・コールマンさんと出会った。コールマンさんが、20世紀の戦死者と同数である1億本の木を植える活動を90年から続けていると知り、「地球環境の保護と平和のシンボルである植樹は世界を変える」と直感したという。帰国後に植樹活動を始め、日本縦断を企画した。
旅は春分の日の09年3月20日、北海道小樽市の自宅を妻の亜衣さん(36)と1歳の息子、仲間3人の計6人で出発。伴走車の燃料には二酸化炭素の排出が少ない廃食油を精製した軽油代替燃料(BDF)を使った。山形、長野、滋賀、高知、鹿児島などを回り、ゴールは「国際平和デー」の同年9月21日に沖縄で開かれたイベント「セレブレーション・アース」。「平和の木」と名付けたケヤキやミズナラなどの苗木380本を小学校など70カ所に植える旅を終えた。
報告会には、1日20キロほどの距離を歩いたメンバーなど約100人が参加。旅の様子をまとめた映像を流した後、中渓さんが来場者の質問に答えた。旅で印象に残ったことは「サルやイノシシなどの農作物を荒らす被害が全国で起きていることを知った」と話し、「今回はえさになる実のなる木を中心に植えた。学校に植えたことで、子どもたちが中心となって植樹の輪が広がり、獣害が減ってほしい」と期待した。
中渓さんは「食事をごちそうになったり、苗木を届けてくれる人まで現れ、道中、現金が必要だったのは銭湯ぐらい」と振り返る。「植樹ができる平和と、人とのつながりの素晴らしさを実感した旅だった。また、新しい旅に出たい」と話していた。