ID : 14634
公開日 : 2010年 1月14日
タイトル
樹皮燃料に木材乾燥 小型ボイラー商品化
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新聞名
河北新報
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元URL.
http://www.kahoku.co.jp/news/2010/01/20100114t32006.htm
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写真:
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岩手県林業技術センターと岩手大、地元企業2社は13日、製材工程で発生した樹皮を燃料とする木材乾燥用の小型蒸気ボイラーの商品化に成功したと発表した。石油の代替燃料としてCO2やコスト削減が期待される。
製材所などで排出される樹皮は、廃棄物処分に関する国の基準の強化で焼却処分が難しい上、水分を多く含むためボイラー燃料にも不向きとされてきた。
センターや岩手大は、盛岡市の管工事業オヤマダエンジニアリングの「いわて型木質チップボイラー」の技術を応用。樹皮はボイラーの立ち上げ当初は石油で燃やすが、その後はボイラーの排熱や蒸気を使って乾燥させるなどして樹皮の燃焼効率を上げる技術を開発した。
その結果、ボイラーの大幅な小型化に成功。本体は高さ3メートルの縦長の箱形で、従来の大型ボイラーに比べ約10分の1の大きさを実現した。
CO2の削減効果も期待でき、岩手中央森林組合雫石工場にある実証施設と同条件で石油ボイラーと比較した場合、理論上は7割程度の削減が可能とされる。
林業技術センターの阿部一成主任専門研究員は「処分が困難な樹皮を再利用することでコスト面での効果も期待でき、一石二鳥だ。小型化で中小業者への普及も図られる」と説明している。
ボイラーの価格は2000万円程度。連絡先は県林業技術センター019(697)1536。