ID : 14628
公開日 : 2010年 1月 7日
タイトル
「エコ電力」でCO2削減 村山市が公共施設で切り替え
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新聞名
河北新報
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元URL.
http://www.kahoku.co.jp/news/2010/01/20100108t51012.htm
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写真:
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官民、地域を挙げて二酸化炭素(CO2)の排出量を削減しようと、山形県村山市は本年度内にも、市庁舎など公共施設の電力源を、木の枝や廃材を原料とする木質バイオマスに切り替える。地球温暖化防止に効果があるとされる生物資源で、地元発電事業者と詰めの協議を進めている。先行する東北の自治体はないといい、実現すれば画期的な取り組みとして注目を集めそうだ。
市庁舎のほかに電力源を切り替えるのは市民体育館、6小学校と1中学校、温泉宿泊施設「クアハウス碁点」。木質バイオマス発電を利用した場合、この10施設で年間1280トンのCO2削減効果があるという。
「エコ電力」の供給元として市が協議しているのは、木質バイオマス発電所「やまがたグリーンパワー」(同市富並)。
グリーンパワーの発電は、粉砕加工した廃材などの木質チップをガス炉で加熱し、その際に発生するガスで発電機を動かすシステムで、2007年6月に稼働した。同社は、山形県や果樹産地の6市町などでつくる村山地域果樹剪定(せんてい)枝循環利用協議会にも参加している。
計画が持ち上がったのは09年春。サクランボなどの不要な枝を果樹農家から回収し、電力源とするシステム構築のため、剪定枝循環利用協議会が村山、東根両市内で実証試験をした結果、一定の成果があった。加えて、電力を小売りできる「特定規模電気事業者」に同社が認定されたことで、現実味を帯びたという。
村山市内の06年度のCO2排出量は推計で18万7980トン。市は切り替えの協議と並行し、12年度のCO2排出量を06年度比8%(1万5039トン)減とする地球温暖化対策地域推進計画の策定も進めている。
村山市は09年11月、県内の市町村で初めて電気自動車を購入し、公用車に使っている。市環境課の担当者は「国内外で環境意識が高まっている今、電力源の切り替えを実現し、温暖化防止に対する市民の意識をより高めたい」と話している。