ID : 14574
公開日 : 2009年 12月29日
タイトル
森の残材でエコ発電/新日鉄・森林組合
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新聞名
朝日新聞
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元URL.
http://mytown.asahi.com/iwate/news.php?k_id=03000000912290001
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元urltop:
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写真:
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伐採後に利用されずに森林に残る間伐材など「林地残材」を、木質バイオマス資源として、火力発電所で石炭と混ぜて燃やし、温室効果ガスの削減を図る「緑のシステム創造事業」が来年度から釜石市で始まる。同市と新日鉄釜石製鉄所(谷田雅志所長)、釜石地方森林組合(曽根哲夫組合長)が取り組む。伐採された間伐材の放置による土砂災害の防止や林業所得の向上、雇用創出の効果も期待される。(菊地敏雄) 製鉄所内で稼働している石炭火力発電所(14万9千キロワット)で使用する年間25万トンの燃料のうち、重量比で2%にあたる5千トンを、発電量を変えずに木質バイオマス資源に置き換える。国や市の補助金を活用して、初年度分で森林組合が高性能林業機械3台を6千万円で導入し、作業道も整備する。 使う樹種はスギが中心だが、作業道整備の過程で出てくる広葉樹も利用できる。間伐の生産性は1人1日5・5立方メートルと、従来の1・7倍になることが確認されている。 10月にリサイクル業者と新日鉄が共同出資会社「三陸バイオマス」(松岡和人社長、資本金720万円)を設立しており、新日鉄構内の土地を利用して、林地残材をチップに破砕、乾燥する事前処理をする。今後、設備の設計に取りかかることにしており、新日鉄の発電所で燃やすのは来年度下期になる見通しだ。 年間7千トン分、現状の1%程度の二酸化炭素を削減する効果があるといい、バイオマスの搬送を含め、全体で20人程度の雇用創出を見込む。 また、釜石製鉄所の主力製品である線材の加熱用重油を、木質ガスに置き換えることも検討しており、実用化できれば、利用できる木質バイオマス資源の総量は2倍の1万トン、雇用規模で60人を見込んでいる。