ID : 14473
公開日 : 2009年 12月18日
タイトル
唯一の成果? 途上国の森林維持に日米など6カ国が資金拠出
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新聞名
MSN産経
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元URL.
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091218/plc0912181936014-n1.htm
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写真:
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国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)で、日本、米国など先進6カ国が、途上国の森林を維持して温暖化対策につなげる「森林減少・劣化からの温室効果ガス排出削減」(REDD)のために協調して資金拠出することを決めた。REDDは、産業関連の法改正や高価な省エネ、新技術への投資などが必要ないため比較的取り組みやすいとされる。この資金拠出はCOP15の数少ない成果となりそうだ。 REDDは1997年のCOP3で採択された京都議定書には含まれていない新しい排出削減手法の考え方で、熱帯雨林などの二酸化炭素(CO2)を吸収する能力を維持する取り組み。日米とフランス、豪州、英国、ノルウェーの計6カ国は、2010~12年の3年間で計35億ドル(約3150億円)を協調して拠出する。先駆けて10億ドルの拠出を表明した米国のビルサック農務長官は「REDDはぜいたくなものではない。必要な取り組みだ」と強調した。 途上国を中心とした森林の過剰伐採や農地開発による吸収能力の低下は2000年時点で温室効果ガス排出全体の約2割に相当する規模との試算がある。対策を講じれば2割の排出削減ができる計算だ。 REDDは、先進国、途上国双方にメリットがあるとされる。先進国にとっては環境税導入やエネルギー効率の高い機器への買い替えを促進させる法改正などが必要なく、取り組みやすい温暖化対策になりうる。途上国としてもREDDによって先進国から資金を得ることは大きい。 ただ、世界全体ではREDDに今後3年間で約90億ドルが必要との試算もあり、今後は排出量取引に組み込んで民間資金の投入を促す仕組みも求められる。