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ID : 14470
公開日 : 2009年 12月21日
タイトル
「木炭にはいろんな可能性がある」
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/news/20091221-OYT8T00092.htm
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元urltop:
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写真:
  写真が掲載されていました
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「炭やきで夕日の松原守り隊」会長鈴木勝男さん 81 (秋田市)
鈴木勝男さん 松食い虫の被害にあった松を炭焼きしているボランティア団体「炭やきで夕日の松原守り隊」の会長を務める。知る人ぞ知る「木炭名人」で、2004年には技術を認められ、社団法人国土緑化推進機構の「森の名手・名人100人」に選ばれた。現在も、講演で全国を飛び回る毎日だ。
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 「人の心を癒やし、水や土壌も浄化してくれる。木炭にはいろんな可能性がある」。それが持論だ。
 旧西木村(現仙北市)出身。故郷は木炭産業で栄え、子供の頃はそこかしこで炭を焼く煙が上がっていた。25歳の時、村役場に勤務したが、「当時の役場の木炭検査官が、昼間から酒を飲んでばかりいた」のに憤りを感じ、約1年間で退職。村の木炭の質を上げたいと、県林業試験場で研究員の助手になった。
 木炭については全くの素人だったが、がむしゃらに勉強した。当時の睡眠時間は連日3~4時間。寝ずに窯を見守ったこともある。1年後、全国の木炭の品評会で2位になり、実績を買われて県の木炭検査官になって7年務めた。その後60歳で退庁するまで、秋田杉の植林など林業指導員として働いた。
 退庁後、「木炭を使って村おこしを」と、西木村木炭生産組合を結成。窯を2基作った。さらに、木炭を使った加工品の開発に乗り出した。
 最大のヒット商品は、15年ほど前に開発した「木炭枕」。「良く眠れる」と全国から注文が殺到し、1日に100個以上売り上げた時もあった。ほかにも、ついたてや座布団など、10以上の商品を発明し、特許は二つ取った。5年ほど前からは炭を使った八郎湖の水質浄化にも取り組み、今年は、殺菌力のある木酢液を塗った桐(きり)のまな板を開発した。
 1995年の阪神・淡路大震災の時、支援物資として秋田から木炭が送られた。成果の調査のため被災地へ行くと、被災者から「木炭の火で癒やされた」と涙ながらに感謝された。その光景は今でもはっきりと覚えている。
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 「守り隊」結成のきっかけになったのは、約20年前、日本海沿いの松林で松枯れ被害が進行しているのを目にしたことだった。害虫の拡散を防ぐため切られた廃木は、殺虫剤をまかれて捨てられていたが、「木炭にすれば、資源の有効活用になる」と考え、炭の活用を共同研究していた秋田県立大学の教授に話を持ちかけた。
 「守り隊」は2002年に結成。以来、同大で月1回ほど行ってきた活動は、今年11月で100回目を迎えた。会員は結成当初の十数人から106人に増え、同大周辺の被害木の数は約15%減ったという。
 「炭焼きは私の人生そのもの。会の活動だけでなく、下火になりつつある炭焼きの普及をしていく」。意欲はまだ、衰えを知らない。
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