ID : 14185
公開日 : 2009年 12月 1日
タイトル
水と緑の地球環境:「山と町、無縁ではない」 作家・三浦しをんさんに聞く
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/select/science/news/20091201ddm012040123000c.html
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元urltop:
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写真:
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林業をテーマにした小説「神去なあなあ日常」(徳間書店刊)で注目される直木賞作家の三浦しをんさんが、間伐材利用シンポジウム(毎日新聞社共催、11月17日開催)に登壇した。取材現場での感想や林業への思いを聞いた。
--なぜ、林業の小説を。
◆祖父が(小説の舞台の)三重県中西部の村で林業やっていて、子供のころ、夏休みなどに遊びに行っていました。それで、林業が何となく気になっていました。次に何を書こうか考えた時、林業やっている人は、どういう気持ちで作業しているのか、本当に斜陽産業なのか、一度見てみたいと思ったのが、きっかけです。
--取材の感想は。
◆三重の松阪と尾鷲に行きましたが、林業家の方たちは、明るくコミュニケーション能力も非常に高く、豪快。仕事熱心で活気もあって、斜陽産業って失礼な言い方だと思いました。若い方で林業を就職先の候補に入れていない人が結構いると思います。体力的にも大変だと思いますが、興味があったらトライしてほしいですね。
--小説の舞台、林業の村「神去村」の魅力は。
◆代々、その村に生まれ、山の手入れを当たり前のように続けてきた人々。いい木を売ろうという作業を黙々と毎日やっている人たちがいることに感心しました。村と町は隔絶してあるのではない。山がきれいだったら、川も、(町の人が飲む)水もきれいになる。そういうことを少々思いつつ、神去村には、明るく楽しく、奔放に暮らす、その土地に密着して暮らす、良さみたいなものを詰め込んだつもりです。
--都市の住民に理解してほしいことは。
◆広葉樹も針葉樹も、人がある程度手を入れないと自然は保てない、ということ。先人たちが黙々と植えてきた山を、どうやって維持していけばいいのか、みんなで考えないと、と思います。