ID : 14096
公開日 : 2009年 11月23日
タイトル
古材活用しCO2削減を
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新聞名
朝日新聞
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元URL.
http://mytown.asahi.com/nara/news.php?k_id=30000000911230003
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元urltop:
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写真:
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建設会社が解体現場公開 五條 古材は究極のエコ材料――。そんなコンセプトのもと、築約100年の古民家の解体現場が、五條市で公開された。解体された木材はごみとみられがちだが、実は時間を経て強度が増し、他の用途に使えるため、古材の流通市場も整備されつつある。解体に携わる建設業者は「古材の活用は二酸化炭素(CO2)の排出を減らし、地球環境への貢献につながる」と話す。 公開したのは、橿原市五条野町の誠光建設(白井貞一社長)。昨年、古材を流通させる「古材倉庫」という全国チェーンに参加。専務の白井大輔さん(30)が「古民家鑑定士」の資格を取り、古材ビジネスに乗り出した。 五條市の現場は、施主が「古い鴨居(かもい)や煤竹(すすだけ)の見える天井の雰囲気が良いので、ぜひ残してほしい」と同社に要望した。 同社によると、人手をかけて丁寧に解体するため、従来の解体と比べて費用は5割増し。新築に再利用する際も、個々の木材の特徴を「適材適所」で見極める技術が求められ、コスト高になりがちという。 一方、古材は自然に乾燥しているため、強度がある。「木材のダイヤモンド」とも言われ、かまどや囲炉裏の煙でいぶされた独特の風合いが魅力で、梁(はり)や柱も建具や家具に転用できる。建物に課される固定資産税が古材を使うと低く抑えられるメリットもあるという。 白井専務は「新築住宅で使う木材の15%を古材にすれば、日本全体で6万トン以上のCO2削減になるという試算もある。何よりも日本の文化や技術の継承になる」と話す。