ID : 14047
公開日 : 2009年 11月18日
タイトル
学校のエコ、図書券に 「排出量取引制度」県が開始 山形
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新聞名
朝日新聞
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元URL.
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200911170419.html
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元urltop:
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写真:
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小中学校のエコ活動で削減された二酸化炭素(CO2)を、企業が図書券などで買い取る「排出量取引制度」が県内で始まった。温暖化防止策と環境教育を兼ねて、山形県が推進する。学校の環境学習に絡めた排出量取引は全国でも珍しい取り組みだ。
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米沢市簗沢の山で5日、近くの市立三沢東部小(土屋宏校長)の生徒44人が学校林の間伐や枝打ち、下草刈りを体験した。作業は約1時間半。森林組合などの協力も得て、5年放置してうっそうとした林が、切れ間から光が差し込む林に生まれ変わった。
間伐作業をした6年生の佐藤遥樹君(12)は「木が堅くてびっくりした。温暖化が進まないように、木を増やしてほしい」と話した。
樹木は光合成でCO2を吸収して成長する。このため間伐などで光がよく当たるように整備することが大切だ。植林や伐採など木材の有効利用はCO2の吸収源となる森林を育てることになり、地球温暖化防止の一助にもなる。
県は、こうした学校のエコ活動で削減できたCO2を企業が購入できる仕組みを立ち上げた。学識経験者らでつくる認証検討委員会がそれぞれの削減量を試算のうえ認定し、「山形環境クレジット」を発行。企業は自社のCO2排出量を相殺するため、図書券や文具と引き換えに学校からクレジットを入手できる。
排出量取引の対象になるエコ活動は森林整備のほか▽省エネ活動▽地産地消に伴うフードマイレージ低減活動▽ごみリサイクル▽ごみ削減活動など。今年度は三沢東部小を含む4校の活動が対象に選ばれた。子どもたちに身近なエコ活動が温暖化対策につながることを知ってもらうのが最大の狙いだ。企業にも、環境教育に力を入れていることをPRできるメリットがある。
4校は11~12月に活動を実施。どのようにCO2削減につながっているかを解説する県職員による出前授業も開かれる。県は12月中に各校に環境クレジットを発行する。それを受けて企業と「取引」される見通しだ。
県地球温暖化対策室の担当者は「子どもたちにCO2削減と言ってもわかりにくい部分があるが、自分たちが一生懸命取り組んでいることが削減につながるという理解を深めるきっかけになってほしい」と期待している。