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ID : 13829
公開日 : 2010年 2月 1日
タイトル
温暖化対策 森を南北の懸け橋に
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新聞名
中日新聞
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元URL.
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2010020102000042.html
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元urltop:
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写真:
 
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昨年末の合意に基づき、日本は一九九〇年比25%の削減目標を国連に登録した。温暖化対策の新たな枠組みづくり(ポスト京都)が再開される。南北対立打開の糸口として、まず森を見るべきだ。 先進国と途上国の間の溝が埋まらず「失敗」「決裂寸前」といわれた昨年十二月の温暖化対策コペンハーゲン会議(COP15)で、森林対策の必要性に関しては、珍しく両者の意見が一致した。 樹木はその体内に二酸化炭素(CO2)を閉じ込める。このまま開発などが進むと、今世紀末までに熱帯雨林の約三分の二が失われ、世界の今の年間排出量の二十年分に当たるCO2が、放出されるという予測もある。 COP15のコペンハーゲン合意には「森林の減少・劣化を食い止めることの重要性を認識する」と書かれている。また、そのための資金づくりには「『REDD-プラス』のような仕組みが直ちに必要」とも明記した。 REDD(森林減少・劣化の防止)は、途上国で森林減少・劣化を食い止めた場合のCO2削減量を、価値として売買できるという考え方だ。二〇〇五年にコスタリカなどが提唱した、いわば排出量取引の森林版である。コスタリカは、農地拡大による乱伐で八〇年代に国土の二割にまで減少した森林を、再生活動へのきめ細かい報奨制度などを設けて、五割にまで回復させた実績を持つ。最近では、炭素の蓄積力を高める行動などにも対象を広げ、「REDD-プラス」と呼ぶようになった。 京都議定書を離脱した米国も、これには関心を示しており、COP15では、日豪などと共同で財政支援を表明した。ポスト京都の枠組みづくりでは、新たな作業部会を設け、先進国、途上国、そして米国の接点である森林分野から、議論を深めていってはどうか。 国土の七割近くを森林に覆われた日本は、保護や管理技術の蓄積も深い。不振にあえぐ林業の活性化にも良い刺激になるだろう。 日本は、コペンハーゲン合意に基づき、従来通り、現時点では米中などより極めて高い中期目標を堅持した。目標達成には、海外の森林に目を向けるだけでなく、国内の森を手入れして、CO2吸収力を高めることが不可欠だ。 十月には、名古屋で生物多様性条約第十回締約国会議(COP10)が開かれ、森林への関心は高まるはずだ。二つのCOPの相乗効果で、森林の価値を見直すまたとないチャンスでもある。
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