ID : 13825
公開日 : 2010年 1月21日
タイトル
木工職人ら商品を開発 徳島市の「舞工房」、展示即売会が好評
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新聞名
徳島新聞
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元URL.
http://www.topics.or.jp/localNews/news/2010/01/2010_12639672785.html
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元urltop:
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写真:
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下請けに甘んじず、木工職人自ら商品開発に乗り出し、技術の高さを示そう-。こうした思いを実現させるため、徳島市北山町下田尻の塗装職人多田正義さん(63)=多田銘木塗装社長=らの職人グループ「舞工房(まいこうぼう)」が結成されて6年。昨年2回、同市内の市立木工会館で開いた商品の展示即売会が好評で、活動に注目が集まっている。
舞工房は塗装、ろくろ、彫刻、家具製造などを専門とする職人約20人が緩やかに結びついたグループ。それぞれの仕事を持ちながら商品の開発や製造で協力し、「舞工房」のブランド名で発表している。
これまでに作った商品は、盆栽用の飾り棚、藍の染め物で表面を飾った遊山箱、間伐材で作ったテーブル、洗面所用に耐水性を持たせた木製ボウルなど約50種類。各木工職人の加工技術に、多田さんの塗装技術を組み合わせるのが特徴の一つとなっている。
当初は販路がないため製造業者への商品提案に終わっていたが、木工会館が活動に注目。同館で「塗装美の世界展」(昨年2~3月)、「趣味の草花が似合う木工小物展」(同年5~6月)と展示即売会を開いたところ、商品約300点の販売につながった。
展示即売会と前後して、藍染や陶芸、彫金などの異業種から舞工房に参加してくるなど、活動は活発化。商品のアイデアも、職人間からいろいろと出てくるようになったという。
多田さんによると、木工業界は分業が進んでおり、参加している職人はマンションの造り付け家具や仏壇、鏡台製造などの下請けを主な仕事にしてきた。だが長引く不況で仕事が激減し、高級商品を扱える高い技術力を持つ職人ほど、仕事がなくなったという。
多田さんは「技術を途絶えさせないためにも、元請けからの仕事を待つのではなく、職人自らが動く必要がある。木工産地・徳島を活性化する新しい動きにしたい」と意気込んでいる。