ID : 13662
公開日 : 2009年 10月21日
タイトル
マイル寄付でCO2相殺も 温暖化対策で航空会社加速
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新聞名
中日新聞
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元URL.
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/cop10/list/200910/CK2009102002000216.html
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元urltop:
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写真:
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地球環境問題への関心が高まる中、航空各社が今月から新たな温暖化対策に取り組んでいる。飛行距離に応じて乗客から寄付金を募って植林や森林保護に生かしたり、駐機中に機内の温度が上がるのを防ぐため窓の日よけを下ろしたりと、さまざまな工夫を凝らしている。 乗客からの寄付金は、カーボンオフセット(温室効果ガスの相殺)料金として任意で集める。全日本空輸は今月から、国内線全便でクレジットカードによるオフセット料金の支払い受け付けを始めた。寄付金は植林事業などを行っている団体に寄贈される。 ドイツのルフトハンザ航空では、マイレージ・ポイントでもオフセット料金を支払えるようにした。 一方、今年2月からオフセット料金を始めている日本航空は9月末から、中部空港や県営名古屋空港など国内17空港を朝に出発する便で窓の日よけを下ろし、機内の温度上昇抑制に努めている。対象空港と日中便への拡大も検討中だ。全日空やフィンランド航空は着陸時の機体降下を直線的にして燃料消費を抑えたり、機内で使う食器類のリサイクルにも取り組んでいる。 航空会社は近年、温暖化対策に本腰を入れ始めた。国土交通省のまとめでは、国内運輸部門の二酸化炭素排出量(2007年)2億4900万トンのうち、航空は1100万トン(4・4%)、鉄道は820万トン(3・3%)。努力の裏には「飛行機は環境に悪い」とのレッテルをはられたくないとの警戒心も働いているようだ。 先月の国連気候変動サミットの会合では、世界の航空産業で「2050年までに05年比50%」の温室効果ガス削減目標を掲げた。全日空幹部は「小さな対策でも、取り組まなければならない時だ」と話している。 【カーボンオフセット】日常生活や企業活動で生じ、削減が困難な温室効果ガスの排出分を、植林や森林保護など二酸化炭素(CO2)削減活動に投資することで埋め合わせようという考え方。「炭素(カーボン)を相殺(オフセット)する」という意味。国内では環境省が2008年に認証制度を創設した。