ID : 13603
公開日 : 2009年 10月16日
タイトル
ヒノキ生産:再生、どうなる 県、農水省の基金一時凍結にやきもき
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/area/ehime/news/20091016ddlk38040578000c.html
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元urltop:
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写真:
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ヒノキの生産量日本一を誇る県が、一時凍結されている農林水産省の基金に気をもむ毎日が続いている。輸入材との競争や住宅着工戸数の減少で価格が暴落するヒノキ。起死回生のきっかけにと期待される基金を活用できる確証がなく、「頑丈で柔軟」と評価の高い愛媛のヒノキ生産の再生が見えにくくなっている。【津島史人】
県内のヒノキ生産量は08年時点で約18万3000立方メートル。全国生産量の約1割を占め全国1位を誇る。約20年前の価格は1立方メートルあたり3万6000~3万7000円台だったが、外国産木材との競争で下がり続け、07~08年には1万7000~1万8000円まで下落。さらに今年に入って金融危機による住宅着工戸数の激減で暴落し、6月には1万1858円まで落ち込んだ。
県は今年度、32億円で「森林そ生緊急対策基金」を創設。9月補正予算では、国の補正予算に計上された21基金の一つ「森林整備加速化・林業再生基金」から6億円の積み増しを当て込んだ。間伐のための高性能機械の導入や、切り出した木材を運ぶための作業道の整備、柱やはりに加工するための施設整備などに取り組む予定だった。しかし、基金は民主党政権発足直前から一時凍結されており、基金からの交付は確定していない。
林野庁によると、森林整備加速化・林業再生基金は今月初めの時点で削減対象に入っていないが、政府から削減の上積みを指示されている。どうなるかは不透明という。県林業政策課は「林野庁に計画を出さなければならないが、基金からの交付が決定しなければ計画も出せない。早く(基金執行の方向で)見直しを決定してほしい」と気をもむ。
年間2万立方メートルのヒノキを出荷する久万広域森林組合・久万市場の中嶋吉夫所長は「20年以上働いていて最悪の状況」と言い「今年は木材の入荷が少ないのに値段が下がっている。基金を活用できる県の事業に期待している」と訴えている。