ID : 1425
公開日 : 2006年 8月 2日
タイトル
熱帯林95%保護不十分 国際木材機関が報告書
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新聞名
西日本新聞
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元URL.
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/science/20060724/20060724_002.shtml
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元urltop:
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写真:
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世界の熱帯林のうち、適切に管理された「持続可能」な森林はわずか5%ほどしかないことが、日本など世界59カ国が加盟する国際熱帯木材機関(ITTO、本部・横浜市)が24日までにまとめた報告書で明らかになった。 ●毎年1200万ヘクタール農地転用 ITTOのスティーブン・ジョンソン統計部長は「熱帯林は生物多様性の維持や二酸化炭素(CO2)吸収にも重要な役割を担っており、こうした機能を守ることに対価が支払われる仕組みづくりが必要だ」と話している。
報告書によると、熱帯林は毎年、約1200万ヘクタールが農地や牧草地などに転換されているほか、違法伐採も減少の大きな要因になっている。
ITTOは、アジアや中南米、アフリカなどの計33カ国を対象に、保護されたり、健全性を維持したまま利用されたりしている持続可能な熱帯林の面積を調査した。調査対象は世界の熱帯林の約3分の2に当たる。
その結果、2005年時点で持続可能とされたのは全体の約5%で、日本とほぼ同じ面積の約3600万ヘクタール。残りの約95%は適切な管理がなされておらず、乱開発などの恐れがある。1988年に18カ国を調査した際、持続可能な熱帯林は約97万ヘクタールだった。
国別では、マレーシアやペルー、ブラジル、ガーナなどで、前回調査時に比べて持続可能な熱帯林が増えている。一方、コンゴ民主共和国など武力紛争が多い国では管理の取り組みがほとんどないほか、取り締まりが不十分な国では、違法伐採が起きているという。