ID : 13345
公開日 : 2009年 9月24日
タイトル
金沢産杉、教室にぬくもり
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://hokuriku.yomiuri.co.jp/hoksub2/kyouiku/ho_s2_09092401.htm
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元urltop:
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写真:
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机や床に間伐材活用
教育現場に木のぬくもりを――。金沢市は、小学校で金沢産材利用を進めている。杉の間伐材を加工して、教室の机や床、壁に使用している。児童に木の良さを知ってもらうとともに、市産材の消費を促すことが狙いだ
。17日には市立大野町小で、6年生が机の天板を市産材製に取り換えた。児童からは「木の香りがいい。温かさが伝わってくる」と好評だ。(小峰翔、赤松正基)
電動工具を使って、机の天板を取り付ける児童たち(17日、金沢市立大野町小で)
市の森林面積は2万8155ヘクタールで、市域の6割を占める。このうち人工林(5419ヘクタール)は、ほとんどが戦後に植えられた杉だ。30~50年が経過し、出荷時期を迎えているが、価格低迷などにより放置され
ている杉が増えているという。
市によると、市内の林業従事者は90人ほどで、2008年度の杉丸太搬出量は、2010立方メートルだった。
枝打ちや間伐などの手入れが十分に行き届かないと、荒廃が進む。このため、市は03年に森づくり条例を制定、森林保全を図るほか、住宅建築に市産材を使うと補助金を出す制度を設けている。
17日に大野町小で行われた取り換え作業には、6年生31人が参加した。森づくり専門員の塩見貴正さん(36)が森林の効用について説明、「人工林の間伐材を使えば、森は手入れされて元気になり、土砂崩れや災害の
防止になる。木を使う大切さを知ってもらいたい」と呼びかけた。
児童たちは、電動工具を使い、これまで使っていた外材合板を外し、新しい天板を机に取り付けた。竹松朋哉君(11)は「自分で取り付けたのでいい経験になった。森のにおいがして、勉強が楽しくなりそう」と笑顔で話し
ていた。
天板交換は昨年度から始まり、今年度末までに5校で行われる。床や壁を市産材に改装する事業は、07年度から始まり、味噌蔵町小の多目的ルーム(床と壁120平方メートル)など、これまでに9校で実施された。これら
事業の今年度予算は約910万円。改装した学校には講師を派遣して、森林の役割や木と暮らしのかかわりについて教えるほか、間伐作業を見学してもらう。
市森林再生課は「自然の木材は温度変化が少なく、心地よく感じられる。子どもの頃から市産材に愛着を持ってもらい、地産地消につなげたい」としている。