ID : 13196
公開日 : 2009年 9月13日
タイトル
温暖化で森林土壌のCO2増加 広島大など研究
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新聞名
中国新聞
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元URL.
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200909130129.html
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元urltop:
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写真:
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微生物の有機物分解加速
地球温暖化の影響で、森林土壌の微生物が出す二酸化炭素(CO2)が、従来の国際的な予測値に比べ約1・5倍のペースで増えるとする実験結果を広島大などがまとめた。微生物による有機物の分解が加速するため
。研究チームは今世紀前半に森林がCO2排出源になり気温上昇が一段と進む可能性を指摘し、温暖化対策を急ぐよう警告する。
環境省の研究事業で広島大や北海道大、国立環境研究所などが東広島市鏡山など6カ所の森林で実施。底のない箱で土壌を囲い、温度上昇と微生物が呼吸で出すCO2量との関係を2007年から今年8月にかけて調
べた。
温暖化が進むと微生物が落ち葉などを分解する速さが増し、呼吸で出るCO2も増える。研究チームは、土壌の温度上昇を受け、微生物が出すCO2の増加率を示す指数を3前後と算出。気候変動に関する政府間パネ
ル(IPCC)が予測モデルで使う最大値2・2と比べて約1・5倍の高い値となった。
森林土壌からのCO2発生量が森林の吸収量を上回る時期は、いくつかのIPCCモデルが今世紀半ばと予測。研究チームは温暖化で微生物の働きが活発になる影響で、この時期が早まると分析する。
森林土壌からのCO2増加は温暖化を一層進める。このため、2100年の気温が1900年ごろより最大6・4度上がるとするIPCCの予測値についても、さらに1・5度以上プラスに振れる可能性を指摘する。
広島大の中根周歩(かねゆき)教授は「従来の温暖化の予測モデルに大幅な変更を迫る結果。化石燃料からの脱却を真剣に考える時期に来ている」と警鐘を鳴らす。成果は17日に東広島市の広島大キャンパスである
日本地球化学会で発表する。