ID : 13162
公開日 : 2009年 9月10日
タイトル
民主新政権に不安と困惑…どうなる7基金 交付のはずが補正見直し対象に /高知
.
新聞名
毎日新聞
.
元URL.
http://mainichi.jp/area/kochi/news/20090909ddlk39010578000c.html
.
元urltop:
.
写真:
.
民主は「迷惑かけない」と…
新政権発足後に民主党が計画している09年度補正予算の見直しについて、県内でも困惑の声が出始めている。県は7月補正予算で国からの交付を前提に、森林整備や自殺対策などに7基金を新設・拡充したが、見
直しの対象となっているためだ。基金回収となれば、「まさに捕らぬ狸の皮算用」(県財政課)と不安げな様子だ。【服部陽】
「基金がゼロになれば、約束破りの地方いじめだ」。県林業振興・環境部の幹部は民主党をこうけん制する。
同部関連では7月補正予算で「森林整備加速化・林業再生基金」を創設。8月に林野庁から今年度以降3年間で35億円の交付が受けられるとの内示を受け、今年度だけで12億4500万円を取り崩し、間伐に加え、木材
搬出に必要な作業道や木質バイオマス関連施設の整備などに充てる予定だった。しかし、農林水産省は衆院選後、民主党政権への移行を見据え、「駆け込み支出は望ましくない」として新規の交付凍結を決めた。
内示分全額が凍結の対象になるかは「微妙なところ」(同部)といい、見通しは立っていない。事業を請け負う森林組合などからは「全額確保してほしい」との要望もあり、県幹部は「もう後ろに下がれん状況。地域を守る
ための大切な事業で、国にもの申していくしかない」と話す。
◇
麻生内閣は5月に成立した国の補正予算に、追加経済対策として46基金への総額4・3兆円に上る支出を盛り込んだ。うち14基金が地方向けで、都道府県が設置・事業実施主体となるため、県は森林整備に加え、介
護施設に関するハード・ソフト整備や、自殺対策での相談体制強化など7基金に計約130億円を積み立てた。さらに9月補正予算で8基金の積み立てを予定している。
しかし、民主党は4・3兆円を見直し、子ども手当などの独自政策に充てる考えを示しており、すでに国から払い込み済みの分に関しても返還が検討されているという。
返還となれば、再度議会に諮る必要があり、尾崎正直知事は7月28日に来県した民主党の直嶋正行政調会長に「(執行停止になり)大混乱になるのは避けてほしい」と要望。直嶋氏も理解を示したというが、県財政課は
「迷惑をかけないとする民主党の言い分を信じるしかない」と話している。