ID : 12815
公開日 : 2009年 8月 5日
タイトル
食害ストップへ広葉樹を植林 南部町と県、土砂災害防止も図る
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.sannichi.co.jp/local/news/2009/08/07/12.html
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元urltop:
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写真:
写真が掲載されていました
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南部町と県は、同町成島の山林にクリやブナなど広葉樹の植林を進めている。水源かん養機能を高めるとともに、土砂災害を防ぐのが目的で、2カ年で約10ヘクタールを整備する予定。また、木の実が野生
動物の餌となるため、農作物の鳥獣被害に悩む農家からは「野生動物による食害防止にもつながる」と“一石二鳥”の効果を期待する声が出ている。
広葉樹に整備するのは十枚山付近の町有林。成島地区の財産区が管理しているが、荒廃が進んでいることなどから、町や県が土砂崩落防止や水源保全の役割を担う保安林として整備することを決めた。
県は5月、約6・2ヘクタールを間伐し、ブナなど5種類の木の苗を計約1万5千本植林。来年度は約2・6ヘクタールを整備することを計画している。また、町は10月にも、0・8ヘクタールを間伐し、15種類の広葉樹2千
本を植え、豊かな植生の森林に“再生”する考えだ。
南部町森林組合や町によると、町内ではサルやシカ、イノシシが稲や畑の農作物を荒らす被害が相次いでおり、昨年度の被害面積は333アール、被害金額は約390万円に上ると推計されている。山林の荒廃で餌が不
足していることが原因とみられ、被害は年々増加しているという。
実を付ける広葉樹を植えることから、南部町森林組合は「山林内に餌が豊富になるため、農作物が荒らされる被害が減ることは十分に考えられる」と推測。町は「自然との共生を目指す取り組みでもあり、将来的に効果
を立証することも検討していきたい」としている。