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ID : 12555
公開日 : 2009年 7月16日
タイトル
悲願の国産 コスモ参戦 バイオエタノール共同研究
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新聞名
フジサンケイ ビジネスアイ
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元URL.
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200907160087a.nwc
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元urltop:
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写真:
 
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石油元売り大手のコスモ石油は15日、木質系原料からバイオエタノールを製造する技術の実用化に向け、日本製紙グループの日本製紙ケミカル、東京大学、九州大学と共同研究に着手したと発表した。バイ オガソリンの原料となるバイオエタノールは、食料と競合しない木質系原料を使う技術開発が急務。両社と2大学は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を得て、今年度から2年をかけて研究し、実証試 験を経て実用化を目指す。
 ◆エコ貢献×エネ安保
 コスモなどの技術開発は、パルプ製造法を応用し、「リグニン」と呼ばれる木材の接着成分を溶かす技術を使う。繊維質のセルロース系は一般的にトウモロコシなどのデンプン系に比べてエタノール原料となる糖の生 成と発酵過程の実現が難しく、今回の研究開発では、発酵菌をいかに改良し、エタノール転換できるかが課題だ。
 バイオガソリンの研究開発や生産体制を強化している石油元売り会社は、コスモだけではない。新日本石油はトヨタ自動車など6社で、今年2月にセルロース系バイオエタノールの開発に着手した。ガソリンと競争でき る価格で大量に安定生産する技術の確立を目指している。新日石は来年1月にもバイオガソリンの原料となる「バイオETBE」の生産も開始する。
 出光興産も09年度中に、「バイオETBE」を輸入し、ガソリンとブレンドする配合プラントを稼働させる方針だ。また、コスモ、新日石、出光興産などの6社は今年6月以降、これまで試験販売の位置づけだった「バイオ ガソリン」の商業販売を開始し、順次販売網を拡大する計画だ。
 各社がバイオエタノールに力を注いでいるのは、温暖化対策として有効と判断しているからだ。バイオエタノールもガソリンと同様に燃やせば温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)を排出するが、植物が生育過程で 吸収したCO2が再び放出されると考えられるため、新たな排出量はゼロとみなされる。
 一方、日本はバイオエタノールの97%をブラジルなどからの輸入に頼っているのが実情だ。これに対して、欧米は国産による「地産地消」が主流だ。国産化できれば、海外からの輸送コストを削減できるほか、資源小 国の日本にとってはエネルギー安全保障の面からも有益だ。
 ◆コストなど課題も
 ただ、普及にあたっては課題も山積している。石油業界は、急激な需要減少が収益を直撃し、各社とも減産に続き、設備廃棄を余儀なくされている。こうしたなかで、新たな設備投資や研究開発が必要なバイオガソリン 事業が収益を圧迫する。
 また、バイオエタノールの原価がガソリンに比べて割高で、生産コスト高も足を引っ張る。これまでは国の補助もあったが、業界団体の石油連盟は「コストアップ分を請求できるシステムを作らないと、やっていけない」( 天坊昭彦会長)と苦境を訴える。
 非食料の原料で、いかに低コストのバイオエタノールを開発するか。石油元売り会社の技術開発競争が、バイオエタノールの将来を決める。
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