ID : 12418
公開日 : 2009年 7月 2日
タイトル
フィンランド人男性、飯伊森林組合職員に 大鹿村へ移住
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新聞名
信濃毎日新聞
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元URL.
http://www.shinmai.co.jp/news/20090703/KT090702SJI090016000022.htm
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元urltop:
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写真:
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下伊那郡大鹿村の飯伊森林組合大鹿事務所にフィンランド出身のヨニ・クヤンスーさん(34)が就職、村での生活を始めた。母国で森林について学び、中国の大学、さらに信大大学院(上伊那郡南箕輪村)
に留学。いったんは静岡県で別の仕事に就いたが、「山の森や生態系を守りたい」と再び伊那谷に戻り、念願の林業の一歩を踏み出した。
クヤンスーさんは幼いころから、北欧で盛んなオリエンテーリングに親しみ、中学卒業後は森林の専門学校に進学。「大好きな森で毎日働きたい」と、植林や伐採のアルバイトにも打ち込んだという。
1997年に北京の大学に留学し森林生態学を専攻した。静岡県から留学していた伊藤みかさん(36)と出会った縁で2002年に来日し、信大が岐阜、静岡両大と連合で設けた大学院博士課程で4年間、シベリアのカラ
マツ帯と地球温暖化との関係を研究した。
その後、伊藤さんと結婚し、静岡県に引っ越して林業とは関係のない仕事に就いた。だが、山への思いを募らせて、飯伊森林組合に就職した。
大鹿事務所には6月26日に赴任し、夫婦で村営住宅に暮らす。以前にも大鹿村を訪れたことがあり、風景や温泉に引かれたという。「村社会では方言も覚えないと。シカ肉料理や山菜採りが楽しみ」と、流ちょうな日本
語で話す。現場を歩き始めたばかりだが、村の面積の97%を覆う森林については「何十年と村人が守ってきた森。その汗と努力を無駄にしてはいけない」と感じるという。
県森林組合連合会(長野市)は、県内で外国人を職員として採用した例は「聞いたことがない」としている。飯伊森林組合の林和弘組合長(61)は「治山や景観づくりには高い技術に加え、新しい発想も必要。まずは村民
となり、山の在り方を考えていってほしい」と期待している。