ID : 12408
公開日 : 2009年 7月 3日
タイトル
森林間伐計画、達成率96% 労働力不足懸念も
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新聞名
中日新聞
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元URL.
http://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20090703/CK2009070302000010.html?ref=rank
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元urltop:
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写真:
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県が2015年度まで12年間で進めている森林間伐計画は、08年度末時点の達成率が96%にとどまっている。本年度以降も計画面積は増えていくが、労働力不足などの課題も出ており、計画達成を危ぶむ
声が上がっている。
県は地球温暖化防止などを目的に、04~15年度に県内の森林25万1400ヘクタールを間伐する計画。単年度で目標面積を定め、10の地方事務所ごとに目標を設定しているが、達成率は地域間で大きなばらつきが
出ている。
森林づくり推進課によると、08年度までの5年間で達成率が最も低いのは諏訪地区の58%。このほか佐久、上伊那、北安曇、長野の4地区で達成できなかった。同課は、半数の地区で未達成だった理由を「土地所有権
が入り組んでいたり、広葉樹が多いなど各地域固有の事情がある」とする。
一方、達成率が最も高いのは上小地区の150%。同課は「地域で木材を使う文化が定着しているのではないか」と分析している。
計画によると、09年度の県内全体の間伐面積は08年度比10%増、11年度以降の5年間は08年度比20%増を目指している。県は6月補正予算案に林道の開設や整備費として6億2000万円余を盛り、次年度以降の
効率的な間伐に向けてインフラを整える計画。昨年度の森林づくり県民税(森林税)導入で「県民の森への関心は高まっている」として事業の推進を図る。
ただ、林野庁が全国の国有林で間伐面積を増やしており、県内でも労働力の奪い合いになっている。さらに林業関係者は「これまでは人家に近く、切りやすいところから切ってきた。今後は山深い奥地に手をつけなけれ
ばいけなくなる。計画達成は難しいのではないか」と指摘している