ID : 12246
公開日 : 2009年 6月24日
タイトル
三陸中部森林管理所 横田町内の国有林を視察
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新聞名
東海新報
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元URL.
http://www.tohkaishimpo.com/scripts/index_main.cgi?mode=kiji_zoom&cd=nws4719
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元urltop:
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写真:
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大船渡市にある三陸中部森林管理署(桃木康雄署長)は二十二日、陸前高田市横田町内の国有林に植栽している花粉の少ない苗木(低花粉スギ)の生育状況を確認する現地視察を行った。今春、植え付けた
一万二千本の苗木は生育、活着とも良好。気仙にはこの四年間で約三万本を植栽しており、花粉の少ない森林への転換が着々と図られている。
同署では、林野庁が進めている「スギ花粉発生抑制対策推進方針」を踏まえ、県林業技術センターが花粉の少ないスギ品種として宣伝普及している「上閉伊14号」を、十八年度から気仙の国有林に植栽している。
四年目となる今年度は、横田町の国道340号小坪橋付近の人里近くにある佐沼山国有林45林班(四ヘクタール)に、四月二十八日に三年生の低花粉スギ苗一万二千本を植え付けた。
この日は、同署の熊谷幸吉流域管理調整官と有本実森林官が現地を訪れ、苗木の生育や活着状況について調査した。
その結果、二カ月前には三十弓ほどだった苗木が五十センチほどに生育しており、青々と山の斜面にしっかり根づいていた。
今春、県内国有林に植栽された花粉の少ない品種は、供給の関係で同署管内だけ。植え付けたスギ苗三万千八百本のうち、38%が「上閉伊14号」だった。
同品種はこれまで、横田町の佐沼山はじめ、大船渡市末崎町通岡、住田町世田米大股などに植栽されており、総本数は約三万本(十ヘクタール)にも達している。
「上閉伊14号」は、県が花粉症対策のために国の補助を受けて平成六年から導入し、普及を進めていた品種。雄花の着花量が平均的なさし木苗と比べ三分の一以下と少なく、寒害抵抗性と材質にも優れているという。
現在、県林業技術センターでは採穂園の整備を進めている段階で、急増する苗木需要には対応できない状況。このため、マイクロカッティング方式という新しいさし木苗生産技術に取り組んでいる。
熊谷調整官は「『上閉伊14号』のほか、少花粉スギ品種の『岩手11号』の供給体制の整備状況を見ながら、今後もできるだけ花粉の少ない森林への転換を図っていきたい」と話している。