ID : 12037
公開日 : 2009年 6月11日
タイトル
森づくり県民税事業:里山整備、計画の7割 新規林業就業者は急増-
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/area/tochigi/news/20090610ddlk09010047000c.html
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元urltop:
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写真:
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県は9日、昨年4月から始めた「とちぎの元気な森づくり県民税」事業の昨年度実績を発表した。奥山林整備事業は計画通りに進んだが、里山林整備事業は計画の7割弱の実施にとどまった。また、昨年度の新
規林業就業者は42人で、前年度比で9人増えた。就業者の中で、以前は「無職」だった人や、20代が急増していることから、昨年秋から深刻化した不況の影響があるとみられる。【葛西大博】
「とちぎの元気な森づくり県民税」事業実績は、9日の県議会農林環境委員会で公表された。同事業は、県民1人年額700円(未成年者や低所得者など除く)を課税し、奥山林や里山林の整備、森づくりのボランティア活動
支援などにあてる。昨年度の決算見込み額では5億6100万円。
県事業である奥山林整備事業は、荒廃しているスギやヒノキなど人工林の間伐をするもので、鹿沼市や日光市など13市町で実施された。2050ヘクタールの計画に対し、2078ヘクタールの実績だった。
一方、県の交付金で、市町が実施主体となる里山林整備事業は、やぶの刈り払いや歩道整備などをする。780ヘクタールの計画だったが、実施は計画の68%にあたる533ヘクタールにとどまった。市町によってばら
つきがあり、交付金額が最も多い茂木町(3770万円)と、最も少ない自治体(7万8000円)で大きな開きが出た。同委員会で、計画を下回ったことについて問われた加藤俊夫環境森林部次長は「市町との連携が十分で
はなかった」と述べた。
◇就業者増、若い年代目立つ 無職者も--経済悪化反映か
新規林業就業者は、04~06年度は20人台で推移したが、07年度は33人に増え、昨年度は42人に急増した。42人の前職をみると、事務系の仕事をしていた人が14人で最も多く、土木・建設が9人、農業が6人で続
く。前年度はゼロだった無職者は5人いた。
新規就業者を年齢別にみると、20代が最も多く15人(前年度9人)で、次いで30代は14人(同14人)、40代は9人(同7人)と若い年代での就業が目立った。林業従事者の高齢化は進んでおり、昨年度の県森林組合統
計では、作業員354人の平均年齢は51歳。しかし、昨年度の新規林業就業者の平均年齢は35歳だった。
新規就業者が増えたことについて、9日の県議会農林環境委員会で、佐藤崇林業振興課長は「とちぎの元気な森づくり県民税」事業で、間伐の需要が増えた効果を上げるとともに、「最近の経済の悪化が反映されている
のではないか」と指摘した。
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