ID : 11922
公開日 : 2009年 6月 2日
タイトル
県内初 牧野木材売却へ
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新聞名
朝日新聞
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元URL.
http://mytown.asahi.com/okayama/news.php?k_id=34000000906010005
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元urltop:
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写真:
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■地球温暖化ガスの排出枠/真庭 樹皮を熱源にCO2 削減
地球温暖化ガスの削減目標に算入できる排出枠を、真庭市の製材会社が近く取得したうえで売却できる見通しになった。同社は、排出削減事業計画を国内クレジット認証委員会に申請し、他の76件とともに受け付け、
公表された。認証されれば県内企業として、また全国の木材業界として一番乗りになる。(中村二郎)
事業を申請したのは真庭市草加部の牧野木材工業(牧野淳一郎社長)。国産材(スギ、ヒノキ)の製材会社で、年間1万5千立方メートルを出荷している。
計画は「岡山県周辺のスギ・ヒノキ材の樹皮を熱源とする木材乾燥用バイオマスボイラー導入事業」。同社は木材乾燥機12台を所有しており、その熱源をA重油から樹皮に切り替えることで、重油使用量を抑え、化石
燃料に由来する二酸化炭素(CO2)を削減する。
同社によると、バイオマスボイラー導入前はA重油を年間246キロリットル使い、CO2を667トン排出していた。導入後はA重油使用量の93%を樹皮などに転換し、年間620トンのCO2を削減できると試算している
。
こうして取得した排出枠を、共同実施者の三井住友銀行とリサイクルワン(東京)の2社が牧野木材から買うことになる。排出枠は現在、年間のCO2排出量1トン当たり1500円で取引されており、売却によって年93万
円が同社に支払われる。事業認証期間は08年4月から13年3月末までの5年間。
また、同社は重油を大幅に減らすことや、これまで産廃として処理費を支払っていた樹皮を再利用できることなどで、年間約1000万円を節約できるという。
牧野社長は「『バイオマスタウン真庭』の企業として、時代の急激な変化に対応していきたい。これが契機となって国産材の復権に、そして山が元気になることにつながれば」と話している。
これまでに認証委が受け付けた全国からの申請は100件。うち19件は認証ずみで、残る81件については6月以降の委員会で審査される。
牧野木材の申請は43番目。県内からはほかに、56番目に真庭市の落合ショッピングセンター、63番目に岡山市のコーホク印刷、85番目に湯郷温泉(美作市)の美春閣を経営するホテルリゾート下電が申請している
。これまでは申請順通りに認証されている。