ID : 11899
公開日 : 2009年 5月28日
タイトル
松阪に木質バイオマス熱供給施設 二酸化炭素を年2万トン削減
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新聞名
中日新聞
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元URL.
http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20090528/CK2009052802000014.html?ref=rank
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元urltop:
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写真:
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間伐材や建築廃材などの木材を燃料にして水蒸気を発生させ、大規模に工業利用する県内初の「木質バイオマス熱供給施設」が、松阪市嬉野新屋庄町に完成。地元住民らを招いた見学会があり、年間2万
トンの二酸化炭素(CO2)排出削減につながることなどが紹介された。
食用油脂製造「辻製油」、松阪飯南森林組合や市内の木材卸業者などでつくる「松阪木質バイオマス熱利用協同組合」が昨年6月から建設を始め、総工費は10億4000万円。山林の管理が滞る状況の改善や、新たな木
材利用による木材産業活性化などを目指し、林野庁から林業・木材産業構造改革国庫補助事業の補助を受けた。
施設は、高さ約28メートルのボイラーに砕いた木材のチップを投入し、水を高温の水蒸気にして隣接する辻製油の工場などに供給する。ボイラーの底では砂が循環して約800度の温度を保ち、中に絶えず木材を入
れるため、他の燃料がなくても燃え続ける。
運転や温度確認などはすべてコンピューター制御で、24時間稼働。一日80トンの木材を燃やし、276トンの水蒸気を発生させる。排出される灰は4トン程度で、燃焼時にCO2を発生するが、木はCO2を吸収して成
長するため、CO2の排出とはみなされない。
見学会には約30人が参加し、運転を始めたばかりの施設を見て回った。伊藤徳夫工場長は「事業を軌道に乗せて、循環型社会の形成に貢献したい」などと意義を強調した。