ID : 11853
公開日 : 2009年 5月27日
タイトル
間伐材利用しログハウス すさみトライ・ウッド協同組合 /和歌山
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/area/wakayama/news/20090526ddlk30020622000c.html
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元urltop:
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写真:
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WakayamaEconomy:すさみ町 すさみトライ・ウッド協同組合 /和歌山
◆製材業「すさみトライ・ウッド協同組合」
◇間伐材利用しログハウス
樹木成長に必要な日光を遮る小径木(直径約10センチ)を伐採し、不要となった間伐材と呼ばれる小径木を捨てずに有効利用しようと模索する。普段は中径木(直径約20センチ)を建築製材などに加工する堀長木材
の堀谷伸二さん(49)が、代表を務めている。
間伐材は使い道が少なく、伐採されても運び出されず山林に放置されることが多い。一般建築では木材を接着剤で再構成して作られる集成材が主流だが、堀谷代表は間伐材が自然のままの木材であることを重視し、0
6年に間伐材を使ったログハウスキットとして建坪面積18・72平方メートル(5・6坪)を約100万円で商品化し、自営業者の店舗用などに7セットを販売した。
さらに、堀谷代表は「誰でも手軽に作れる小規模のログハウスが普及し、間伐材を利用すれば、林業が活性化する」と考えた。
そこで08年、近畿職業能力開発大学(大阪府岸和田市)と一緒に、素人でも簡単に間伐材でログハウスを作れないか研究を始めた。小規模な10平方メートル以下の倉庫や勉強部屋などを想定し、同町内への移住者
らに対しても簡易な住居として、10平方メートルで約60万円のログハウスキットを販売する目標を立てた。
ログハウスの施工法は通常は四隅にも柱のない丸太組だが、堀谷さんは四隅などに柱を打ち、柱と柱の間に角材に加工した間伐材をはめ込んで重ねていく。間伐材には溝をつくり、間伐材同士が簡単にはまるよう工
夫した。間伐材が乾燥してもひび割れやすき間が少なく、素人でも設計図通り作りやすいからだ。
同大学は、専門的知識が必要な作業部分を分かりやすく解説した施工マニュアルを作成。同大学の古本勝則教授は「強度やコスト面で課題は残るが、『素人向けキット』の商品化に近づいた」と話し、堀谷代表は「マニュ
アルを作ってもらったことで、間伐材利用のログハウスが普及すれば、森林整備にも役立つ」と手応えを感じている。【山本芳博】
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木材関連の5業者で構成。ログハウスとして、磯の浦海水浴場の「海の家」や更衣室、シャワールーム、上富田町の簡易郵便局などを建てた。すさみ町周参見4856の5。電話0739・55・4005。