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ID : 11823
公開日 : 2009年 5月24日
タイトル
私の仕事:炭焼き 故郷の山に活気を 
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20090524ddlk22040103000c.html
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元urltop:
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写真:
 
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掛川市倉真の大沢地区は、JR掛川駅から北へ約15キロの山間地。最盛期には12戸が林業で生計を立てていたが約30年前、全戸が去り廃村になった。杉やヒノキが植林されたまま放置された森林は現在、 ほとんど手入れされず荒廃が進む。
 松浦鉄治さん(74)は同地区で生まれ中学校を卒業後、父親を手伝い炭焼きや山仕事をしていた。離村後は家族とともに同市内に移転。ベアリング製造会社で約25年間働いた。だがその間もずっと、故郷の山が荒れ るのが気になっていたという。
 約10年前、同郷の知人が森林の再生運動を始めたのをきっかけに炭焼き窯を復活。雑木林から出る間伐材などを使い、年間約100俵(1俵15キロ)を焼いている。
 「いろりの暖かさが好き」「バーベキュー用にほしい」などの注文に1袋(7・5キロ)1500円で売っているが、採算は二の次という。
 炭焼きは冬が仕事の季節。寒さが増す11月ごろから、父親仕込みの技術で築いた窯を手入れする。「いい窯は20年は持つ」というが、一度使うと熱で天井部分が変形するため補修作業が欠かせない。煙を抜くための煙 突は、その位置や高さで出来上がる炭の品質が決まる。炭焼きが盛んなころは窯造りの専門職人がいて全国を回っていたという。
 材料の窯詰めから加熱、冷却、取り出しまで5日間かかる。この間休みなく窯の状態を見守る。重労働だ。煙の色や排出量で焼き具合が分かるという。
 松浦さんは会社勤めで長年、重い鋼材を削る仕事を続け、ひざを痛めた。最近、手術を受けたが体調は万全とはいえない。70歳を過ぎると炭焼き仕事はきつい。それでも山に足を運ぶのは「懐かしい故郷が少しでも 活気を取り戻せれば」との気持ちがあるから。「昔は山のあちこちから炭焼きの煙が上がっていました」と少年時代を振り返った。
 燃料だけでなく吸湿材などとしても効用が注目される炭。「炭焼きの伝統を守りたい」。松浦さんの願いだ。
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