ID : 11718
公開日 : 2009年 5月18日
タイトル
里山倶楽部 間伐材使い発電実験
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/life/ecology/news/20090518ddm016040030000c.html
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元urltop:
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写真:
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<水と緑の地球環境>
大阪府吹田市の万博記念公園。甲子園球場約65個分に相当する約260ヘクタールの敷地のおよそ半分に、クヌギやコナラ、イチョウなどが茂る。NPO法人「里山倶楽部(くらぶ)」(大阪府松原市)はここから出る間
伐材を利用して、木質バイオマス発電の実証実験を続けている。
バイオマス発電では、間伐材などの有機物を燃やしてエネルギーを得る。燃やすと二酸化炭素(CO2)が発生するが、もともとは樹木が成長時に吸収したもので、全体として大気中のCO2を増やさないことになる。
実験は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などの協力で、05年から5年計画で始まった。公園の手入れで生じる年間約100トンの間伐材の一部をまきに加工し、公園内のプラントで燃やす。発生した熱で
エンジンを動かし、発電する。
エンジンは、外部の熱でシリンダー内のガスを膨張・収縮させ、高効率で動力が得られる「スターリングエンジン」を採用。温められたエンジンの冷却水は、そばの足湯に使用している。10月には、家庭の半日分の消費
電力分の発電量を実現させる計画だ。将来的には、園内を走る電気自動車の充電用電源に利用する。
倶楽部の活動は89年、大阪府の南東部にある河南町の里山(約24ヘクタール)で始まった。「好きなことして、そこそこ儲(もう)けて、いい里山をつくる!」をコンセプトに掲げ、炭やまきを生産し、飲食店などに販売し
てきた。
今回のバイオマス発電は、自然の恵みを生かして暮らす「里山文化」の継承に加え、再生可能エネルギーによる里山の新たな活性化策になると期待が高まる。倶楽部のバイオマスエネルギー事業部長、大塚憲昭さん(
57)は「里山に経済的な価値を持たせたい」と意欲を見せる。【曽根田和久】
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02年にNPO法人に。環境教育も手がける。バイオマスエネルギー事業部(電話06・6889・6039)で、月2回実験施設の見学会を実施。http://www.satoyama‐bio.net/