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ID : 11701
公開日 : 2009年 5月15日
タイトル
林業白書/低炭素社会を追い風に
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新聞名
nougyou-shimbun
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元URL.
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/modules/news1/article.php?storyid=905
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元urltop:
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写真:
 
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今年の森林及び林業の動向(林業白書)は、地球温暖化対策に対応して、低炭素社会をつくる森林と木材利用を特集した。林野庁は世界に約束した京都議定書の目標を達成するため、間伐に力を入れている 。白書は温暖化の状況や政府の取り組みを紹介するとともに、木材利用で炭素の蓄積と化石燃料の使用を減らす取り組みを提案している。木材利用が林業の活性化に結びつくように取り組むべきだ。
 地球温暖化は、大気の中の二酸化炭素(CO2)など温暖化効果ガスが増えて気温が高まることを指している。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書は、21世紀末に世界の平均気温が1980~99年と比較 し1.8~4度、海面水位は18~59センチ上昇するとしている。地球にとって深刻な事態が差し迫っているといえる。温暖化に対する世界各国の立ち位置はさまざまで、国益優先の発言もあるが、協力して対策する必 要がある。
 温暖化防止や低炭素社会づくりを目指して80年代以降、気候変動枠組み条約・京都議定書など国際的に対策が取り組まれてきた。わが国は京都議定書で、基準年の90年に対し、2012年までに6%の削減を約束した 。3.8%分を森林吸収量で賄う考えで、国際的に認められている間伐による森林整備を進めている。07年度から6年間、55万ヘクタールずつ間伐する。
 森林は樹木自体がCO2を吸収し温暖化防止に役立つ。白書では木材の炭素貯蔵機能や、木材加工に要する化石燃料が他の建築資材の製造などに比べ少なくて済む特徴を紹介している。35年生の杉1本が吸収する 炭素の量は68キロで、木造住宅は6トンの炭素を貯蔵するという。
 木材を住宅だけでなく、ボード、紙、炭素繊維、燃料など多様に使い、炭素の“貯蔵タンク”として活用する考えや、排出量取引やカーボンオフセット、カーボンフットプリントなど新しい仕組みを紹介し、低炭素社会の実 現に向けて、森林や木材が役立つことを強調している。
 肝心なのはこの追い風を生かして、林業地帯である山間地を活性化することである。森林所有者の6割以上は10ヘクタール未満の小規模な林家だ。白書によれば1戸当たりの林業所得は29万円(07年度)にすぎな い。森林所有者の多くは、農業との複合経営や兼業農家が実態だ。木材価格は外材との競争力が増してきた。しかし、伐期を迎えても切り出す経費が木材価格より高くなるため、収入を得られないことから、伐採できない 場合が多いといわれる。そのことが間伐など森林整備が十分に行われない原因になっている。
 低コストに間伐や伐採をするには作業道に当たる路網の整備が必要だ。国産材の利用拡大も含め、こうした対策に同庁は力を入れている。助成策を用意し、国民の理解を得て一層取り組むべきだ。
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