ID : 11197
公開日 : 2009年 8月 7日
タイトル
林業再生5人組
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyotama/news/20090806-OYT8T01218.htm
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元urltop:
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写真:
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起業3年受注拡大 効率作業、ビデオで工夫 檜原 木材の価格低迷や人手不足で危機に直面している檜原村の林業を支えようと、村外の若者らが3年前に起業した林業請負会社「東京チェンソーズ」が、
順調に仕事の場を広げている。代表の青木亮輔さん(32)は「子供たちがあこがれる職業にしていきたい」と意欲を燃やす。
同社は、都森林組合檜原支所(現・南部営業所)に勤めていた4人の若者が15万円ずつを出資して2006年7月1日に設立した。独立した理由について、青木さんは「日給月給制で生活が厳しかったことに加え、自分の
力を試したいという思いが強かった」と振り返る。
同社では、檜原村を拠点に間伐や枝打ち、下刈りといった山仕事に取り組んでいる。今年度に請け負った面積は、2年前より20%上回る100ヘクタール。厳しかった収支も黒字に転換し、仲間も1人増えて5人となった
。平均年齢は33歳。
成功の要因は「効率化」。作業工程をビデオ映像で検証し、枝打ちのための木登りのスピードアップや伐採方法などを工夫した。
今後は、枝打ち技術を応用して、ロープとサドル(安全帯)を使って木に登る「ツリークライミング」の普及活動を進める方針だ。
青木さんは大阪市生まれ。小学6年生の時に家族で千葉県内へ。東京農大農学部では林学を学んだ。卒業後の2年間を海外などで過ごし、「林業再生が環境悪化を食い止める手段になる」との思いから、24歳で檜原
村森林組合(当時)に就職。独立を機に結婚し、荒川区から村内に移り住んだ。
檜原村は93%が山林。うち約65%が杉やヒノキといった針葉樹の人工林が占める。同村によると、1956年には1000人以上いた林業就業者は2005年にはわずか11人。危機的な労働力の減少で、荒れた森林が急
増している。人工林が放置されると、下草が育たずに土砂崩れが発生しやすくなり、保水力も低下するという。
青木さんたち5人は「夢は大きく林業で地球を救うこと。手入れされた森林は美しい」と充実感いっぱいに森林と向き合っている。