ID : 11054
公開日 : 2009年 3月28日
タイトル
樹齢80年、巨大スギに挑戦 県森林研究所 間伐法研究、商品価値向上へ
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新聞名
富山新聞
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元URL.
http://www.toyama.hokkoku.co.jp/subpage/T20090329202.htm
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元urltop:
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写真:
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富山県森林研究所は新年度から、スギを樹齢八十年まで成長させるための効果的な間伐 方法の研究に取り組む。戦後、住宅建材や燃料用に全国各地で植林されたスギだが、安い
外国産材が輸入され、石油などの化石燃料が取って代わり、販売価格が低下。樹齢八十年 という「未知の領域」(同研究所)まで伐採を“我慢”して商品価値を高めることで、採
算割れに苦しむ県農林水産公社の分収造林事業の借金軽減を目指す。
人工のスギ林は通常、一ヘクタールに約二千五百本の密度で苗を植える。スギの成長に 伴って適度に日光が地面に当たるように間伐し、スギにも水分や養分が不足しないように する。
間伐して残すスギの本数は、気候や斜面の条件によって異なるため、地域によって適切 な密度が変わる。富山県では苗を植えてから四十五年後に一ヘクタール当たり七百五十六
本を残すのが理想とされ、これまでは樹齢四十五―五十年で伐採してきた。
このため、五十年以上のスギは伐採密度のデータがなく、森林研究所では天然林などで 五十年以上経過したスギを調査し、適正な密度を探す。
県農林水産公社の分収造林事業では、伐採時期を四十五―五十五年として地権者と契約 してきた。しかし、木材価格の低迷で木材を売却益しても多額の債務が公社に残ることが
分かり、伐採時期を八十年後に延長するなどの経営改善策を決めている。
県森林研究所では「スギが十分太り、豪雨にも山崩れが起きない間伐の密度を見つけた い」としている。