ID : 11017
公開日 : 2009年 3月25日
タイトル
日立、DICの鹿島工場で木質バイオマス発電と風力発電を活用のESCO事業を開始
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新聞名
日本経済新聞
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元URL.
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=216209&lindID=5
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元urltop:
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写真:
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年間3万トンのCO2排出を抑制
株式会社日立製作所(執行役社長:古川一夫/以下、日立)は、このたび、世界最大手の印刷インキメーカーであるDIC株式会社(以下、DIC)鹿島工場(茨城県神栖市)における設備向けの電力として、木質チップ(木
質バイオマス)を燃料とするボイラーと蒸気タービンを組み合わせた木質バイオマス発電設備と、国内最大級(*3)の風力発電設備によるESCO事業を開始します。今回のESCO事業により、DIC鹿島工場において、
原油換算で年間約1万1千キロリットルのエネルギー削減、CO2で換算すると工場全体の年間排出量の約8割である年間3万トンの抑制を実現します。
DIC鹿島工場では、これまで木質バイオマスを燃料とするボイラーとガスタービンを使用して工場内の設備向けの電力の多くをまかなってきました。今回、開始するESCO事業では、既存の木質バイオマスボイラー
に加えて、新規の木質バイオマスボイラーと蒸気タービンを組み合わせた発電設備を導入することで、ガスタービンの使用を停止し、余剰蒸気を新たなエネルギーとして有効活用することにしました。さらに、太平洋
沿岸に位置する鹿島地区の気候をいかし、国内最大級の風力発電設備2基を導入することにより、一層の省エネルギー化を図ります。
木質バイオマス発電設備と風力発電設備によるESCO事業は、4月1日から開始する予定です。
近年、企業にとってCO2排出量の抑制が重要な課題となっている中、ESCO事業は、ESCO事業者が資金調達と省エネルギー施策を行い、企業はエネルギー削減効果額の一部をESCO事業者に支払うことで自己負
担なく省エネルギー施策を導入できることから、CO2排出抑制に効果的な省エネルギー事業として注目を集めています。日立は、1999年からESCO事業を開始し、これまでに国内外の企業の多種多様なニーズに合わ
せた約70件のESCO事業を展開し、CO2排出量約26万トンの抑制に貢献してきました。
日立グループは、地球温暖化防止に向けた長期計画「環境ビジョン2025」(*4)のもと、ESCO事業をはじめとした環境事業を強化していきます。
今回、日立がDIC鹿島工場向けのESCO事業で導入したシステムは以下の通りです。
木質バイオマス発電設備
発電用の木質バイオマスボイラーと蒸気タービンを導入し、木質バイオマスを燃料に電力を発生させます。また、余剰蒸気を電力に変換することにより、エネルギーの有効活用が可能です。
風力発電設備
太平洋沿岸に位置する鹿島地区の気候をいかし、風力発電を行います。今回設置する風力発電設備2基は、風車の直径71m、ハブ高(*5)64mで発電量2,300キロワットの日本最大級の設備です。
(*1)再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの
(*2)Energy Service Companyの略
ESCO事業者である日立が資金調達および省エネルギー施策を実施し、お客さまはエネルギー削減効果額の一部をサービス料として日立に支払うことで、自己資金なしで省エネルギー施策の導入が可能になります。
(*3)2009年3月1日現在、日立調べ
(*4)2007年12月20日発表:
日立製作所ニュースリリース「地球温暖化防止に向けた長期計画『環境ビジョン2025』を策定」
(*5)地上から羽根中心までの高さ 導入設備
木質バイオマスボイラー : 30t/h×1基
抽気復水蒸気タービン : 4000kW×1基
補助ボイラー : 5.5t/h×6基、2t/h×1基
風力発電設備 : 2300kW×2基
システム概要図
(※ 関連資料参照)
関連情報
日立製作所ニュースリリース「地球温暖化防止に向けた長期計画『環境ビジョン2025』を策定」
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2007/12/1220.html