ID : 10984
公開日 : 2009年 3月24日
タイトル
森再生プロジェクト:小菅村、多摩川源流の森再生へ
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新聞名
農業協同組合新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/area/yamanashi/news/20090323ddlk19040028000c.html
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元urltop:
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写真:
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間伐材、ブランド化し活用/良質材は「大菩薩ヒノキ」
県の東北端に位置する人口約900人の小菅村で、大規模な森の再生プロジェクトが進められている。
多摩川の源流に位置する小菅村は面積の約95%を森林が占め、その約3分の2が民有林。しかし、林業の衰退から、民有林の45%にあたる人工林はほとんど手入れをされない状態で、倒木や土砂流出などを招いて
多摩川にも悪影響を与える恐れがある。村は「流域人口約450万人の生活水を守る」と、05年に「多摩川源流百年の森プロジェクト」を始めた。国や県の補助を受け、村が北都留森林組合に間伐や枝打ちなどの森林整
備を委託する取り組みだ。
スタートから4年後の現在、村が注力するのは間伐材の有効活用だ。村産の間伐材を「源流域の木」としてブランド化、下流域の首都圏住民に使ってもらい、得た収入を森の再生に環流させる仕組みを作るのが目標だ
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村産ヒノキはつややかな赤みを帯び、香り高いのが特徴。村は昨年11月、村産の良質なヒノキを大菩薩(だいぼさつ)峠にちなみ、「大菩薩ヒノキ」と命名した。今後は多摩川流域を中心に、大菩薩ヒノキを使った住宅の
新築・改築をPRしていく考えだ。
流域の小学校の教室や保健室の壁に、村産のヒノキ板の利用を呼びかける取り組みも昨年10月に始めた。ヒノキの持つ温かみや香りが子供にいいと、今月末には川崎市立桜本小の教室に導入される。東京都大田区や
狛江市の小学校からも注文があるという。
今月8日には村役場近くの温泉施設「小菅の湯」に、村産間伐材を使ったあずまやが登場した。観光客らにPRするためのモデルハウスだ。
同村源流振興課の佐藤英敏課長は「日々の飲み水をはぐくむ森の木を流域の人に使ってもらい、源流の森の大切さを感じてほしい」と話している