ID　：　10623

公開日　：　2009年 2月19日

タイトル

元派遣の男性、林業へ　豊田から長野・根羽村に

新聞名

中日新聞

元URL.

http://www.chunichi.co.jp/article/feature/koyou_houkai/list/200902/CK2009022002000240.html

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雇用情勢の悪化で職を失う派遣労働者から、林業が注目を集めている。長野県根羽村の根羽村森林組合には、１月末でトヨタ系で派遣契約を打ち切られた南木一美さん（２９）が着任した。同組合に元派遣労 働者の若者が就職するのは初めて。同村長の小木曽亮弌（りょういち）組合長は「都会のピンチに、いなかはチャンスと思いたい」と意気込んでいる。
　南木さんは１月末、半年契約の更新を重ねて４年ほど勤めた愛知県豊田市にあるトヨタ車体の工場から、派遣契約を打ち切られた。再就職先を探すとき、以前から興味を持っていた林業にひかれた。
　「自動車工場も製造業だったが、ものづくりをしている感覚がなかった。土の上でじっくり仕事をする方が、自分の気質に合っている」

　生活基盤を都市からいなかに変えたいという思いは以前からあった。趣味の釣りで何度か近くを訪れ、いいイメージを持っていたという根羽村の求職を見つけ、真っ先に応募した。
　自衛隊にいたこともあり体力に自信はあるが、山の仕事や新しい生活、収入面などなにもかも手探り。
　「急なことで、深く考えている暇もなかった。今はとにかく、仕事を始めることです」と話す。
　組合にとって、南木さんの応募は驚きだった。小木曽組合長は「経済がいいとき、林業に目を向ける人はいない。トヨタ関連の人が仕事に来るなんてこれまでは考えられなかった」。根羽村は矢作川の源流域にあり、豊 田市など下流域とは昔から交流が盛ん。「下流から来てくれたことは、特にうれしい。村の看板を担うような存在になっていってほしい」と喜ぶ。

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